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日刊遊技情報インタビュー:貯玉乗り入れシステム導入ホール

【編集部ウォッチ】

自工会加盟メーカーは今月1日より貯玉・再プレイシステムにおける異なる遊技料金での貯玉“乗り入れ”制度を解禁した。この実質上の規制緩和に大きく期待を寄せた業界関係者もあったが、導入ホールは現段階ではまだごく少数にとどまっている。また、積極的に制度を利用しているというような、解禁を歓迎するユーザーの声も、編集部には届いていない。

この制度をいち早く導入したホールの実情はどのようなものなのか。匿名を条件に、ある導入ホールの責任者より話をうかがった。

※※※

<編集部>
リニューアルでマースエンジニアリングの「パーソナルリプレイ」を導入されました。

<A氏>
もともとマースのPOSシステムを使っていて、その買い替えの時期にあたっていたこともあり、あわせて導入しました。

いまホールができる施策は限られています。競合店との差別化のひとつになれば、それに越したことはありません。顧客サービスの一環であり、無いよりはあった方がいいだろうということです。システムの導入コストも大きな額ではありませんでしたしね。

系列店では当店のみでの導入です。都心部駅前型の当店の客層は、仕事帰りのサラリーマンや若年層が中心で若めなのですが、ほかの系列店では平日昼間は特に高齢者が中心です。タッチパネルでの意思表示が必要など、やや煩瑣なところがあるので、高齢者の多い系列店での導入は当店の動向を見極めてからと思っています。当店でうまくいけば、いずれは系列店にも導入する予定です。

<編集部>
利用者による端末での意思表示は毎回必要なのですか。

<A氏>
システムにもよると思うのですが、私たちが受けた説明では導入時に、1回来店するごとに毎回押すか、あるいは最初に1回意思表示をすれば以降は不要とするかを店舗が選択できるとのことでした。私たちは顧客動向を把握したいという思いもあって、毎回カウンターに来て意思表示をしていただくシステムとしています。

<編集部>
4円から1円と、1円から4円では、どちらの乗り入れが多いのでしょうか。

<A氏>
4円から1円が圧倒的に多いですね。導入前にもある程度そうなるだろうと予想していましたが、やっぱり、です。

<編集部>
理想は逆、1円から4円ですよね。

<A氏>
その通りです。DMなど会員様を対象とした販促ツールを使って、乗り入れ制度の告知を徹底して、1円から4円に誘導できればと考えています。例えば、1円で「海物語」シリーズをよく打たれている会員様に、4円新台に「海物語」シリーズの新台が入ったことをお伝えするタイミングに合わせて乗り入れ制度についてもお知らせするというDMです。

また、最近店舗に来られていない休眠層に対するアピールにも使えると思っています。4円で貯玉を持っているけど最近店舗に来られていない会員様に、1円でも貯玉を引き出すことができるようになったことをお知らせして再来店の動機にしていただくのです。

ただ、パチンコでは4円と1円の両方を使い分けるお客様はそれほど多くなくて、客層はかなりはっきりと分離していると捉えています。このことが、このシステムが爆発的に拡がらない要因ではないでしょうか。ですが、パチスロでは20円と5円を日によって行き来するお客様はパチンコより多いのではないかと見ています。

ただ当店では、システムの導入からまだ1週間経つか経たないかの時期ですのでデータの蓄積量が少なく、はっきりとデータでお示しすることはできません。まずはこのシステムについて、わかりやすくお客様にお伝えして、利用に対する抵抗感をなくす工夫が必要だと感じています。

<編集部>
ありがとうございました。

[2015年4月17日・日刊遊技情報]

日刊遊技情報180

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