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余暇進・令和4年度秋季セミナーで警察庁保安課の坂ノ上圭佑課長補佐が講話(全文掲載)

3点目は、遊技機の不正改造事犯の絶無についてです。
ぱちんこ営業所において遊技くぎを曲げて検定機と異なる性能を創出する事案は、毎年継続して発生しており、本年も複数の検挙事例があります。これまでも、そのような事案は射幸性の適正管理を侵害する悪質な事案であると繰り返し申し上げていますが、依然として、客寄せ等の営業者の身勝手な都合により、メンテナンス等と称してくぎを曲げる事案が後を絶ちません。貴協議会におかれましては、引き続き、正しい認識を全国の会員に理解していただくよう周知徹底を図ることはもとより、業界全体をリードして、こうした問題の絶無に向けて取り組まれることを期待しています。
このほか、悪質巧妙化している不正改造については、これに対処するため、ぱちんこ営業者と製造業者の垣根を取り払い、事案の情報共有や有効な防止対策を業界全体で模索し、効果的な施策をより一層推進していただきたいと思います。
この点、遊技産業健全化推進機構の活動については、業界の健全化に欠かせないものです。機構は、活動開始以来、立入検査店舗数が本年9月末までに延べ約35、000店舗を超え、また、検査台数も約25万台を上回るなど、精力的に活動を続けています。新型コロナウイルス感染症の影響で、立入件数が減少していると伺っていますが、それでもなお、未だに不正改造等の容疑が認められたとして都道府県警察に通報がなされる事案が散見され、実際に、機構の立入検査を端緒に検挙に至った事例もあります。業界として、引き続き、緊張感を持って不正改造の絶無に向けた取組の推進をお願いします。警察としても、今後とも、機構と積極的に連携しつつ、不正改造事案に対しては、厳正な取締り等を推進していきます。また、機構においては、先ほど申し上げたとおり、ぱちんこ営業所における依存防止対策の実施状況調査を行っており、機構による調査を受け、対策状況の改善が促されるといった成果も出ていると伺っています。このように、機構は様々な面で業界の健全化に貢献していると考えられますので、引き続き、業界全体で機構の活動への協力・支援をお願いします。

4点目は、遊技機の流通における業務の健全化についてです。
遊技機の流通過程において型式の同一性が担保されるよう、中古遊技機については、中古機流通制度に基づく取組が実施され、新台設置や部品交換については、「製造業者遊技機流通健全化要綱」等に基づく制度の定着が進んでいると承知しています。一方で、遊技機の部品を正規の部品以外に無承認で変更する事案等が後を絶ちません。今一度、製造業者、販売業者等の遊技機の流通に携わる関係者の皆様方が、それぞれの場面で適切な点検確認等を実施していただき、少なくとも出荷や流通の過程においては、部品取りのような不正は発生
しないこと、そして、型式の同一性が保たれていることをしっかりと担保していただく必要があります。特に、製造業者等が作成する「保証書」については、製造業者等が、設置確認や点検確認をする前提のもと、遊技機の型式の同一性を疎明する書類として認められているものですので、万が一にも、これらの確認や保証書の作成が杜撰に行われることがないよう、今一度、遊技機の流通に携わる関係者におかれましては、こうした点を含めて正しく制度を理解した上で、取組の継続をお願いします。

5点目は、賞品買取事犯の根絶についてです。
賞品買取行為の規制違反は、本年においても既に複数の事案が検挙されています。賞品買取行為の規制は、ぱちんこ営業と賭博の一線を画す上で重要なものであり、ぱちんこ営業の根幹に関わるものです。警察としては、引き続き賞品買取事犯の厳正な取締りを行っていきますが、貴協議会におかれましても、今一度、営業者一人一人にまで、賞品買取行為の規制の重要性を周知徹底していただくようお願いします。

6点目は、広告・宣伝の健全化の徹底についてです。
広告・宣伝の規制については、現在、ホール4団体による広告・宣伝ワーキングチームと意見交換を行っているところであり、業界からの要望を踏まえつつ、各店舗において時代に即した広告・宣伝を行うことができるよう必要な検討を行っています。その上で申し上げれば、業界においては、まずもって、広告・宣伝がぱちんこ営業者の遵法意識を写す鏡であり、また、一般の方のぱちんこ業界に対するイメージに大きく影響を与えるものであるということを改めて認識していただく必要があります。業界においては、営業の健全化に加え、新規ユーザーの開拓が大きな課題になっていると承知していますが、一部のヘビーユーザーやマニア向けに、隠語を用いた脱法的な広告・宣伝を行うことがそのような課題の解決にとってプラスになるのかという観点から、この機会に、業界として広告・宣伝の在り方について考えていただくようお願いします。また、依存防止対策の観点からも広告・宣伝の在り方が問われているため、業界自らの取組によって広告・宣伝の健全化を進めるよう努めていただきたいと思います。

最後に、業界の社会的地位の向上のための取組についてです。
業界においては、社会貢献活動の一環として、防災活動や災害対応の支援、社会福祉施設への支援、地域の清掃活動等の地域に根ざした活動を多岐に渡って展開していると承知しています。ぱちんこ営業が店舗性を有するものであることを踏まえれば、地域社会との関係を如何にして築いていくかという視点は、業界の社会的地位の向上に重要であると考えられますので、引き続きの活動を期待します。
また、業界においては、これまで、ぱちんこ営業所の駐車場における車内放置による子供の死亡事案の絶無のための取組を推進しており、平成29年を最後にそのような事案は発生していないと承知しています。一方、最近、ぱちんこ営業に係る事案ではありませんが、通園バスや保育所の駐車場の車両に子供が置き去りにされ亡くなられるという痛ましい事案が発生しています。このような事案は一度発生してしまうとそれに対する批判は計り知れないことから、業界においては、これまで推進してきた取組の内容を今一度確認するとともに、各ぱちんこ営業の現場にまで取組が徹底されるようお願いします。

以上、ぱちんこ営業の健全化を推進する上で特に留意していただきたい点についてお話ししました。
新型コロナウイルス感染症の影響が長引き、遊技人口も減少傾向にある中、ぱちんこ業界の皆様方におかれましては、大変御苦労が多いことと思われます。ただ、このような状況だからこそ、広く国民に憩いと潤いの場を提供するような、健全なレジャーとしてのぱちんこのあるべき姿を追及してほしいと思います。そのためにも、まずは、ぱちんこへののめり込みや依存問題をはじめとする課題の一つ一つに、業界が一丸となって、迅速かつ真摯に対応していただくことが重要です。その上で、新規則機を活用し、リアル空間の良さも活かしながら、地域の方が安く安心して遊べる遊技環境を創出する業界となるよう、今後のぱちんこ業界の皆様方の御努力に期待します。

結びに、貴協議会のますますの御発展と皆様方の御健勝、御多幸を祈念して、私の話を終わります。


コメント:5件 コメントを書く

  1. 警察との癒着力と匙加減で何とでもなる産業。

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  2. 課長殿にはジャグラーの設定1を自分のお金で打って見てください。
    今の枚数でどれほど健全か身を持って知るべきです。

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