「ダイナムグループ」はパチンコ業界で最大の経営店舗数を誇るナショナルチェーンである。１９９８年には業界初となる労働組合「ダイナムユニオン」を結成するなど、組織体制の近代化を力強く推進。２０１２年には香港証券取引所に株式上場も果たしている。むろんパチンコホール経営企業としては初となり、この快挙ともいえるニュースは業界内外にて大きく報じられたものだ。

また、チェーンストア理論をいち早く取り入れた企業でもあり、その出店スピードは正に目を見張るものがあった。２００１年に１００店舗を達成すると、そのわずか３年後には２００店舗へ到達。そして２０１７年には業界初となる４００店舗を達成するなど、（マルハングループとともに）文字通りパチンコ業界を代表する企業と評せるだろう。

このように規模の優位性が圧倒的な一方で、１円パチンコなどの低貸営業比率が非常に高い点も同グループの大きな特徴といえるだろう。「街と生きるパチンコ。」をコンセプトにしつつ、常連客層中心の営業を徹底してきたことで、他の強豪チェーン企業とも上手く住み分けを行えている点は同グループの強みである。

２０１５年にグループ化していた「夢コーポレーション株式会社」などの経営店舗数も加えると、グループ合計で４３２店舗に上る。なお、近年ではグランドオープンなどの大きな動きは比較的少なめで、２０２０年７月の『ダイナム茨城稲敷店』を最後にしばらく完全新規での出店はみられていなかった。

しかしながら２０２２年に入ると、約２年ぶりとなる新規案件『ダイナム鹿児島伊集院店』をグランドオープン。更にグループ会社である夢屋でも『ＹＵＭＥＹＡ浜松大柳店』を居抜き出店。また、『ダイナム愛媛四国中央店』を新築でグランドオープンするなど徐々に動きが出始めてきた。

更に三重県の「株式会社ハワイ」のパチンコ店２軒の営業権を取得するなど、２０２２年末から２０２３年にかけてはＭ＆Ａによる店舗取得が加速。敬愛マックスグループから取得した店舗は相次いで屋号変更オープンさせている。

一方で２０２３年では５軒の店舗閉鎖が確認された。

※コロナ禍以降の閉鎖・売却店舗
２０２０年　２月：『ダイナム東町店』（茨城県４８０台）
２０２０年　２月：『夢屋白河店』（福島県４４８台）
２０２０年　６月：『ダイナム伊勢崎店』（群馬県４８０台）
２０２０年　６月：『ダイナム西日暮里店』（東京都１８６台）
２０２０年　６月：『夢屋豊岡店』（北海道３４４台）
２０２０年　６月：『夢屋釧路新橋店』（北海道３９４台）
２０２１年　１月：『ダイナム日立店』（茨城県２９６台）
２０２１年　１月：『ダイナム安長店』（鳥取県４００台）
２０２１年　１月：『ダイナム神埼店』（佐賀県４００台）
２０２１年　３月：『ダイナム愛媛今治店』（愛媛県４００台）
２０２１年　４月：『ダイナム栃木小山喜沢店』（栃木県５１２台）
２０２１年　８月：『やすみ時間静岡東店』（静岡県４３１台）
２０２１年　８月：『ダイナム都城店』（宮崎県４８０台）
２０２１年１１月：『ダイナム信頼の森　太田店』（群馬県４００台）
２０２２年　１月：『ダイナム太田店』（群馬県４８０台）
２０２２年　１月：『夢屋鳴門店』（徳島県５４４台）
２０２２年　１月：『夢屋玉城店』（三重県５１２台）
２０２２年　３月：『スロットパークゴッド』（静岡県２４０台）
２０２２年　５月：『ダイナム飯田店』（長野県４８０台）
２０２２年　８月：『やすみ時間鈴鹿店』（三重県３８８台）
２０２２年１０月：『ダイナム七日町店』（新潟県４００台）
２０２３年　２月：『ダイナム酒田広野店』（山形県２５３台）
２０２３年　２月：『ダイナム北越谷店』（埼玉県３４７台）
２０２３年　２月：『ダイナム新発田店』（新潟県２９０台）
２０２３年　２月：『ダイナム岩船店』（新潟県４００台）
２０２３年　３月：『ダイナム名取店』（宮城県３００台）
（２０２３年１２月１日記載）