ユニバーサルエンターテインメントが運営する岡田美術館は16日、東京都千代田区丸の内のパレスホテル東京において記者会見を開催し、中国上海にある国立美術館の劉海粟(りゅうかいぞく)美術館と提携すると発表した。
姉妹提携先となる劉海粟美術館は、中国における新美術運動の創始者で画家、美術教育家である劉海粟の功績を讃え1995年3月に創立。中国で初めて個人名を冠した国立美術館である。上海における文化振興の拠点となっているが、現在は移設のため休館しており、2015年春にリニューアルオープンを予定している。
中国の国立美術館と日本の私立美術館が提携するのは初の試み。岡田美術館では今後、中国と日本の文化交流の懸け橋として活動していくとしている。
岡田美術館は姉妹提携を記念して、7月3日より9月30日まで特別展「中国人の魂 玉器の名品/特集 かわいい生き物たち」を開催する。この展覧会では中国と縁の深い玉器を展示する。
記者会見には、両美術館の館長など関係者が出席。劉海粟美術館の張堅(ちょうけん)館長と、岡田美術館の小林忠館長による姉妹提携の調印式が行われた。
岡田美術館の小林館長は、「岡田美術館はまだ若くて発展途上の美術館。今後、幅広い美術館活動を行いたい。今回の提携をきっかけとして日中の文化交流がますます活発になることを願っている」と挨拶した。
また岡田美術館の名誉館長を務める岡田和生氏は、「劉海粟美術館と姉妹提携ができたことはたいへん名誉なこと。命懸けで作りあげたものに感動して、私は美術館を開館した。特別展では、人の心を映す玉を展示する。中国の人の魂を我々は受け取り、昇華させて、より美しい美術館に育てあげたいと考えている」と挨拶し、会見の参加者に謝意を伝えた。
岡田美術館は箱根の小湧谷に昨年10月開館した。展示面積5000平方メートルの館内にユニバーサルエンターテインメントの岡田和生取締役会長が収集した日本をはじめ東洋の陶磁器や絵画など約350点を常設展示する。