日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)は12日、東京都千代田区丸の内のパレスホテル東京において第35回通常総会を開催した。役員改選により、8年にわたって理事長職を務めたセガサミーホールディングス代表取締役会長兼社長の里見治氏が相談役にまわり、新たに山佐代表取締役の佐野慎一氏が理事長に就任した。
2015年度の事業方針は、【1】健全化・セキュリティ対策の効果的推進、【2】時代に適合した回胴式遊技機の開発研究、【3】ART機能の主基板移行など自主規制方策の的確な推進、【4】業界の活性化に向けた関係団体との連携強化、【5】「8月4日はパチスロの日」の開催、【6】社会貢献活動の6点を掲げた。【1】健全化・セキュリティ対策の効果的推進では、(1)不正改造・ゴト行為防止対策の強化、(2)流通過程におけるセキュリティ強化の推進、(3)遊技機販売業者に対する指導、管理の徹底、(4)闇スロ撲滅活動の推進、(5)その他の5点を推進していくとした。2014年4月1日から2015年3月31日までの2014年度における日電協の証紙発給枚数は80万2642枚。2013年度の証紙発給枚数は75万9126枚であったことから2014年度は前年度比で5.5%増加した。
総会の冒頭で里見前理事長は、「8年間の任期中、業界の規模はシュリンク(縮小)し、きびしい時代となった。その意味では成果を挙げたとは言えず残念。パチンコ・パチスロ業界は、遊技人口をせめて2000万人まで戻せるよう努力していかなくてはならない」と述べた。
総会後の記者会見では佐野新理事長が、「副理事長を2名から3名に増やしていただいた。いろんなことが起こっているが、がんばっていく」と挨拶。里見前理事長は、「今後は後方支援に回ることになる。サポートしていく」と話した。
記者会見の質疑応答では、記者からの出玉機能のメイン基板管理へ移行するスケジュールに関する質問に対し佐野理事長は、「現行機種の販売設置が11月末までというスケジュールに変更はない。中古機の移動はいつまでかという議論は、これから始める。ただメイン基板に移行しても、若干の問題視される機能は残る。そのような問題になる機能を残した機種をいつまで設置販売できるのかという時期については来年の6月末までと、日工組と昨日、合意した。型式の申請は今年11月末まで。12月1日から型式申請する機械は、すべての問題をクリアにした機械となる。この合意内容についてはこれから当局に報告する」と説明した。
また11日に日電協が日遊協へ団体加盟する際に日遊協との間で交わした「合意書」の内容が明らかにされた。日電協と日遊協は、合意事項として以下の5点を定めた。(1)両団体は役員、事務局間の定期的な意見交換の場を設ける。(2)各種イベント・広報活動については、企画段階より相互に連絡・協議し、できうる限り協働していくこととする。(3)ファン拡大・射幸性の抑制に資する遊技機について、継続的な検討の場を設け、日遊協は日電協の取り組みを支援する。(4)日電協は、日遊協の活動を支えるため、加盟組合員の個社加盟及び日遊協の支部活動への参加を推奨するものとする。(5)個別加盟社の正会員としての権利義務については、団体加盟による変更がないことを確認する。同様の合意が、同日に団体加盟した日工組との間でも交わされている。
総会後には多数の来賓も来場して懇親会が開かれた。来賓のうち、警察庁生活安全局保安課の小柳誠二課長、全日遊連の阿部恭久理事長、日遊協の庄司孝輝会長、石関貴史衆議院議員、平沢勝栄衆議院議員が挨拶を行った。
小柳課長は挨拶で、「業界の健全化を阻害する要因が残されているのも事実。回胴式遊技機に関しては、遊技機規則の趣旨に反して、高い射幸性を有する遊技機が一部で見受けられる。今後も貴組合を含め業界が一致団結して、国民から親しまれる大衆娯楽となるための取組みを強力に推進されることを期待する」と述べた。
乾杯の音頭を日工組の金沢全求理事長が取り、また回胴遊商の伊豆正則理事長が中締めを行った。
2015年度の役員の顔ぶれは次の通り(敬称略、カッコ内は前年度の役職)。
▽理事長…佐野慎一(副理事長)▽副理事長…兼次民喜(再任)、片田富穂(理事)、小林友也(理事)▽専務理事…原田宗宏(再任)▽常務理事…橘高照忠(再任)▽理事…木原海俊(再任)、国本籍雄(監事)、岩堀和男(新任)、平野薫美(新任・事務局長事務取扱)▽監事…濱野雅弘(再任)、国吉和宏(新任)▽相談役…里見治、野口三次(パイオニア代表取締役)、石原昌幸(オリンピア会長)
[2015年6月16日・日刊遊技情報]