パチスロメーカーにより組織する回胴式遊技機製造業者連絡会の12回目となる会合が15日、東京都千代田区丸の内のパレスホテル東京において開かれた。日電協の加盟各社に加え、日工組21社、電遊協1社、賛同会員11社の責任者および技術責任者ら約120人が出席した。連絡会の終了後には業界紙(誌)の記者を集めて会見を開き、6月11日に日電協と日工組の間で合意された「のめり込み防止に関する自主的な措置」の内容について初めて説明を行った。
その具体的な内容は、ATタイプのパチスロに関して、本年12月1日以降の型式試験申請を自粛し、それ以前に申請された新台の設置についても2016年7月末までとするというもの。ATという概念は残るものの、出玉の増えない形式に限られるようになる。規制後には、出玉の増加は純増枚数1.7枚から1.8枚程度のARTおよびボーナスによるものとなる。また、「5.5号機」という名称については、メイン基板により出玉を管理するパチスロに用いることが確認された。
自主規制実施後のATでは、通常遊技中の最低シミュレーション出玉率(内部成立役がすべて入賞したと仮定した場合における出玉率、「入賞Sim出玉率」)は1未満となる。ATの出玉性能を落としたパチスロがすなわち、メイン基板によって制御されるARTタイプ、5.5号機と呼ばれることになる。会見で佐野慎一会長は、「我々はサブ基板からメイン基板へ制御を移すことを2年前から決めていた。ただしメイン基板に移したからといって、そのことにより射幸性が落ちるわけではないとも説明してきた。高い射幸性の原因はATにある。1日に2万枚を超える出玉を無くすことを目指す」と説明。規制後のART出玉性能については、ARTタイプでは1.8枚~2.3枚(CTBBのボーナスを含む)、A+ARTタイプでは1.8枚~2.0枚(BB、RBなどのボーナスを含む)を傾斜値(純増枚数)とする。またベースについては40ゲームほどとする。
記者からのリミッターや総量規制を導入する考えはあるかとの質問に対して佐野会長は、「その考え自体がペナルティ。ユーザーにいったん与えた権利を取りあげることがペナルティであり、遊技の公平性を阻害する。出玉の波を穏やかにすることにより1日2万枚を超えることがないようにする」と答えた。
全日遊連など関係団体へは今月21日より説明を開始する。
[2015年7月16日・日刊遊技情報]