全日遊連、日遊協、日工組、日電協、全商協、回胴遊商の6団体は、のめり込み問題への対策として遊技機の射幸性を抑制するために「高射幸性遊技機の取り扱いについての合意書」および「高射幸性遊技機についての申合せ」を9月30日付で締結した。6団体は10月2日、業界紙(誌)の記者を東京都新宿区市ケ谷左内町の遊技会館に招いて記者会見を開き、「合意書」および「申合せ」の内容を説明した。記者会見には、全日遊連の阿部恭久理事長、日遊協の庄司孝輝会長らが出席した。
「合意書」において6団体が合意したのは、以下の2点。①日遊協、日工組、日電協、全商協、回胴遊商は、全日遊連が本年6月24日開催の臨時全国理事会において決議した自主規制「新基準に該当しない遊技機の取扱いについて(基本方針)」を支援する。②ホールは、メーカー団体が特に高い射幸性を有すると区分した遊技機を優先的に撤去する。これを促進するために、各メーカーはこの区分に該当するとした遊技機の下取りなど優遇措置を講じる。
「申合せ」において6団体が合意したのは、以下の3点。①「高射幸性遊技機」に指定する遊技機のリスト。②ホールはこの高射幸性遊技機を、検定期間内に優先的に撤去し、各メーカーは下取りなどで協力する。各メーカーは、下取り価格を全日遊連に提示する。③メーカーによる下取りが行われない場合、および2016年12月1日時点で高射幸性遊技機の撤去がすすんでいないと判断される場合には、6団体は協力して実効性のある追加措置を講じる。
このうち、①の具体的な機種名については、公開について6団体の合意が得られていないことと中古機取引市場への影響を理由に、記者会見では非公開とされた。だが、パチンコでは設計値9000個以上の61機種、パチスロではダイコクのSISデータにより差枚数が2万枚以上となった65機種が選定されたことを明らかにした。また日工組の渡辺圭一理事は「設計値が低くても、データに問題となるレベルの出玉が記録された場合には、この区分に追加せざるを得ない」と話し、高射幸性遊技機に区分される機種が今後、追加される可能性があることを示唆した。
全日遊連の阿部理事長はメーカーによる下取りなどについて、全日遊連が一括して対応すると説明。そのうえで「中古機価格を上まわる下取り価格でなければ撤去はすすまない。まずメーカーの意向を聞き、そのうえで個別に対応する」と今後の方針を明らかにした。
全日遊連は「新基準に該当しない遊技機の取扱いについて(基本方針)」でパチンコ、パチスロともに、①検定期間内については中古機移動や売買など通常の取扱いとすること、②2015年4月1日以降に検定を通過した機種に限り(再)認定申請を行わないことを決議。また新基準に該当しない遊技機の設置比率の目標値を、パチンコでは2016年12月1日に設置台数の30%以下、2017年12月1日に20%以下、パチスロでは2016年12月1日に50%以下、2017年12月1日に30%以下と定めた。
阿部理事長は記者会見で、「私たち自身で決めたことをできなかった場合には、追加措置を取らざるを得ない。私は全日遊連の全国理事会で、『そうならないため全員で計画的に実施しよう』と話した。行政に『取り締まらなければできない業界なのですか?』と言われないためにも、自らで自らの業界について考えて行動するという姿勢を打ち出すときだ」と述べ、高射幸性遊技機の段階的撤去の実行に向けた決意を示した。
[2015年10月5日・日刊遊技情報]