全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)は22日、東京都港区新橋の第一ホテル東京において、全国理事会を開催した。理事会終了後に定例記者会見を開き、理事会での決定事項などを説明した。
決議事項の5号議案として挙げられていた伊勢志摩サミット開催にともなう遊技機の入替自粛期間については、自粛を実施するという方向では一致しているものの、具体的な自粛期間については地域により事情が異なることから、2月12日開催予定の臨時理事会において再度決議を行うとした。具体的な日程が決まらなかったことについて阿部恭久理事長は定例記者会見で、「当初予定していた期間は1カ月程度。しかし地域によっては関係閣僚会議が開催されるなど、2カ月程度の自粛が必要となる可能性がある。ただ、あまり長い期間を設定すると入替を嫌がっていると見られかねない。また高射幸性遊技機を可及的速やかに入れ替える必要もある。そのあたりのバランスをとる必要があり、再度話し合うことにした」と説明した。
理事会ではこの伊勢志摩サミットにともなう入替自粛期間のほか、東京都遊協副理事長の佐藤統氏を補充参与として承認し所属委員会を機械対策委員会とする議案と、26日に予定されている賀詞交歓会での業界14団体による「声明」の全日遊連の文案を決議した。賀詞交歓会では14団体それぞれが「声明」を発表する予定としている。理事会終了後には警察庁生活安全局保安課の小柳誠二課長による行政講話が行われた。
理事会では、「検定機と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機」の取り扱いについての報告があり、終了後の記者会見でも説明された。全日遊連は21日、日工組との定期連絡協議会で協議を行っており、26日の賀詞交歓会開催前に予定する21世紀会の会議と行政への報告を経て、日工組が今月中に対象機種リストの第1弾を公表する予定としていることが確認された。日工組では2013年発売の型式から優先して精査を行っているとのことであり、同年の型式がリスト第1弾に掲載される見通し。ただし回収方法や費用についてはリスト公表後に協議を行う予定となっているため、具体的に動き出す時期はさらに先となる可能性が高い。
14日に開催した中古機流通協議会の協議内容については、「検定機と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機」がリスト化され明らかになった時点でその型式の保証書の作成が不可となることが確認されたと報告。これによりリストに掲載された型式については中古機移動も事実上できなくなることが決まった。トラブルなどが予見されるケースについて、全日遊連と全商協で議論をすすめる。
行政講話については、内容公表の可否について行政に問い合わせ中と説明。内容についての記者からの質問に阿部理事長は、「射幸性、のめり込み、不正改造など既存の課題について一通りあり、新規に出た内容は無かった。検定機と性能が異なる可能性のある遊技機の取り扱いについては厳しい内容となっており、検定機と異なると判明した機械をホールが使いつづけることは射幸性が高すぎる機械を使いつづけることになるので、判明後には速やかに撤去をしてほしいとのこと。判定後もホールが設置しつづけるならばそのホールの責任になるという意味だと理解した」と説明した。
[2016年1月25日・日刊遊技情報]