北電子とグローリーナスカ主催による展示会及びセミナー「INNOVATIVE SOLUTION FAIR 2018」が6日、東京都墨田区の東京スカイツリーイーストタワーにおいて開催され、パチンコビレッジの村岡裕之代表が「年末年始の新機種動向~新規則機の魅力と難点~」と題して講義した。
講義の中で同氏は、今年2月施行の規則改正による影響を受けた遊技機市場の動向について語った。パチンコについては“設定”が最大の注目ポイントとし、「設定差を設けられるのは大当り確率のみ」「低確時と高確時における確率差の倍率は各設定一律」といった“設定”に関する規則の概要を説明した上で、既に導入が開始されている「Pフィーバー革命機ヴァルヴレイヴ」の事例を紹介。特に同機には設定示唆の演出が盛り込まれている点に注目し、「今までスマホを見ながら遊技していた人が、液晶画面を見ながら楽しめるようになる」(村岡氏)と、受動的だったパチンコに能動的な要素が加わったことによるメリットを話した。
ただし同氏は、全てのパチンコに“設定”を付ければ良いわけではないと語る。ポイントは、コンテンツとの相性と言い、例えば年配層に支持を集めるコンテンツだと、“設定”が遊技から遠のけてしまう要素になりかねないといった懸念も示した。今後の動向については、市場を賑わすような大型コンテンツの機械で、“設定”をどう盛り込むかが注目ポイントと言い、その機種の結果で、ある程度、各メーカーの“設定”の使い方が決まっていくのではないかと話した。
一方のパチスロは現状、保通協型式試験の適合率が低い点について特に言及し、適合率の低い要因や、6号機が今後、どのように推移していくかを語った。
同氏が把握している情報によると現在、保通協の型式試験を適合した6号機の数は13メーカー、14タイトル。ただし、適合した14タイトルのうち、本命スペックとして適合し、現実的に販売の可能性が高いタイトルは5~6タイトルのみだという(9月6日現在)。パチスロ6号機の適合率は、7月、8月は12%前後と低い水準で推移しているが、同氏が各パチスロメーカー開発者にヒアリングしたところによると、「1600ゲーム試験で規定値(出玉率40%)に達しない」ことと、「各社ギリギリの仕様を狙い過ぎている」ことが主な理由となっている。
これらの理由は、言い換えると、各社ベース40以下を追求していることとなり、その点も含めて今後の6号機の動向を占う上では、今年10月1日からのホール導入開始が予定されている「HEY!鏡」(大都製)の結果がポイントになると同氏は言う。「本機のベースは49。ホールでの結果が良ければ、各社もベースの低さばかり追求せず、その結果、年明けから各社、射幸性を下げた機械を申請し、早ければ来年の春ごろには使える6号機が多く出てくる可能性が高まる。逆に結果が悪ければ、各社、4thリールを使うなどして、今後もベースを下げる努力を続けるだろう」と述べた。
また同氏は、今年の新台販売状況も話し、これまで同様、厳しい状況が続いていることを伝えた。パチンコの新台販売台数は現在までで106万台強、年間予測で130万台程度になる見込みだという。これは昨年比で約10%減となり、パチンコの新台販売台数は9年連続で減少が続くことが確実視されている。パチスロは、数値で見る限り、パチンコよりもさらに深刻な状況と言え、新台販売台数は現在までで30万台弱、年間予測は40万台程度となる。昨年が75万7000台、一昨年は111万台の新台販売実績があったことも踏まえると、今年は特に新台販売不振の年と言えそうだ。
講義の最後、同氏は未来展望として「業界にとって2021年が底になるのではないか。旧規則機の入替が終わり、パチンコ、パチスロとも、その頃になると、使える機械の目途も立ってくるだろう。ただし、業界外からの業界に対するバッシングは良くない状況である。この業界のことが好きで、誇りをもって働くためにも、自分でパチンコ、パチスロを打って稼働を上げる、そこからやるしかない。パチンコをしない人からは、パチンコのことを悪く見られているという現状を受け止め、皆さんの家族、友人、親戚を仲間に巻き込んでいくしかないだろう」と語った。
[2018年9月10日・日刊遊技情報]
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