編集部ではこのほど、全国のパチンコ店舗を対象に、禁煙(分煙)店舗数の推移や減少などをレポートにまとめた。データについては弊社HP「禁煙パチンコポータルサイト」、店舗データベース「P‐SEARCHⅣ」より1月8日付けで抜粋したものを使用。集計対象は、インターネット上の公開ホールを対象とした。
12月度、約40件のグランドオープンの中で『禁煙ホール』は約1割
▼全国パチンコ店の禁煙(分煙)店舗数の推移
調査時期 | 2018年 12月末日 |
2019年 6月18日時点 |
2020年 1月8日時点 |
調査対象店舗数 | 9250 | 9134 | 8905 |
禁煙(分煙)パチンコ店舗数 | 239 | 256 | 284 |
調査対象店舗における割合 | 2.584% | 2.803% | 3.189% |
全席禁煙店舗数 | 80 | 92 | 118 |
調査対象店舗における割合 | 0.865% | 1.007% | 1.325% |
一部禁煙店舗数 | 159 | 164 | 166 |
調査対象店舗における割合 | 1.719% | 1.795% | 1.864% |
1月8日時点における全国パチンコ店の禁煙(分煙)店舗数は284店舗で、調査対象店舗数における割合は3.189%。前回調査を行った2019年6月からはプラス28店舗に留まっているものの、消費税増税や高射幸性パチスロ機の撤去と言った様々な問題によって閉店店舗が大幅に増加した為に割合としては過去最高を更新している。
内訳においても全席禁煙店舗が118件と約半年でプラス26件と、一部禁煙のプラス2件を大幅に上回り、改正健康増進法の施行に先んじて完全禁煙とする店舗が大幅に増加した。
▼都道府県別禁煙(分煙)店舗数上位
都道府県 | 店舗数 | 全席禁煙店舗数 |
大阪府 | 30 | 7 |
東京都 | 28 | 8 |
愛知県 | 27 | 7 |
兵庫県 | 19 | 4 |
岐阜県 | 15 | 8 |
神奈川県 | 14 | 7 |
埼玉県 | 14 | 3 |
福岡県 | 14 | 4 |
広島県 | 11 | 6 |
千葉県 | 9 | 3 |
都道府県別の店舗数順位は前回調査した2019年6月から大きな変化はなく、いずれも全席禁煙店舗の比率が増えた一方で再度喫煙に戻すホールも変わらず一定数出ていることで店舗数自体の増加は緩やかである。また昨年12月には屋号変更を合わせると全国で40件程度のグランドオープンがあったが、オープン当初より禁煙としたのは『nikko十日市店』、『ビックつばめ会津若松店』、『プラザ新市街店』、『メルヘンワールド富岡店』と現在確認出来ている時点で4店舗(1割程度)に留まる。また禁煙とした新店のすべてが全席禁煙としており中途半端な分煙策よりも4月からの完全禁煙に対する先行優位を狙っていると考えられる。
プレイヤーの約5人に1人がホールの禁煙化を「知らない」
編集部が運営するパチンコ・パチスロ情報島ツイッターアカウント(@johojima)で、1月6日から8日までの3日間、4月以降パチンコ店が全席禁煙になることを知っているかどうかについてユーザーアンケートを実施した。
アンケートには122名からの回答があり、結果は「知っている」が77%、「知らない」が23%となった。公共施設や一部の飲食店などでは先行して禁煙化が進んでおり、今や世の中は『禁煙化』が当り前の時代。そんな中において、特に喫煙比率が高いパチンコ・パチスロユーザーの約5人に1人はパチンコホールが禁煙になることをまだ知らないようだ。ただし、複数のホール関係者から現場での意見として「ほとんどのお客様はパチンコ店が全席禁煙になるのを知らない」といった話も聞かれ、4月1日以降、喫煙を巡る様々なトラブルが発生する恐れがあり、それを最小に抑えるためにも顧客への周知徹底は急務であろう。
改正健康増進法の施行は迫っており、あとはどのタイミングで禁煙にするかが問題。他業態では先行して禁煙化が進む中、パチンコ店だけが粘って顰蹙を買うような事態は避けたいところだ。
※本稿は2020年1月9日付け「日刊遊技情報」に掲載した記事をweb用に加筆・編集したものを掲載しております。