ダイナムは15日、東京都千代田区の丸の内トラストタワーにおいて「ダイナム 2020 完全分煙化プロジェクト」のプレス発表会を開催し、藤本達司代表取締役社長が「ダイナムは全店舗(406店舗)で分煙を展開し受動喫煙のない健康的なホールを提供する事を宣言します」と、ダイナム全店舗で分煙を実施していくことを宣言した。
藤本社長は「パチンコユーザーの約半数が現在喫煙している。ホールの禁煙化に不安を覚えるパチンコホールも多いと思うが、喫煙率が減少を続けており、喫煙可能という形態で多くの非喫煙者という見込み客を遊技から遠ざけている可能性があるのではないか。何よりも、社会からの要請が今回の改正健康増進法である。パチンコ業界では、これからも足並みを揃えて法改正の趣旨に沿った対策を進めていく事だと思う。ダイナムは安全・安心なパチンコをつくっていきたいという思いがあり、多くの皆様に『パチンコ店は変わる!』というメッセージを伝えたい」と発表会開催の意義を語った。また、経過措置として加熱式たばこを吸いながら遊技する事・フロア分煙が可能とされているが、加熱式たばこの安全性が完全に担保されていない以上、同社では加熱式たばこを含めて受動喫煙をカットするとした。
その後、「臭気減少実験でわかった設備・施設対策」「分煙化による客層の変化とは」についてそれぞれ担当役員がデータを公表し、解説した。
ダイナムの標準仕様(標準店舗)における完全分煙化の基本対応は、「ホール喫煙室設置」「従業員用喫煙室設置」「スモークカット蓋改修」「喫煙種別看板設置」。喫煙室は定員9名を店内1カ所、店外喫煙所は数カ所となっている。工事費用は「1店舗で最低約250万円~。全店舗では総額約10億円の投資規模」を見込み、昨年12月からスタートした施設工事は月100店舗ペースで進んでおり、2月末には全店舗での工事が完了する予定とした。
また、ダイナムが展開する完全分煙型「信頼の森」と低貸・喫煙可能型「ゆったり館」における顧客データを比較分析。「禁煙店舗では60代・70代が優位」「分煙切替時の来店客は9.8%が休眠客(直近1年以内に遊技経験のない人)」「休眠客は低レートを志向(79.2%)」といった顧客傾向を説明したほか、「分煙化に伴う教育・販促・オペレーション」の重要性にも言及し、「分煙化に伴う販促(案内・認知促進)」「分煙化を知らないお客様への対応」「分煙化によるトラブルの防止」「従業員のたばこの臭い対策」「休眠・新規ユーザーを念頭にした対応」など、パチンコ・パチスロファンならびに社会に向けパチンコホールの取り組みについて事前の周知徹底の重要性を強調した。
藤本社長は「環境が整備されればユーザーが増える。一方で、たばこを吸う人に肩身の狭い思いをさせているのが現状。そうした事からも、吸う人も吸わない人も、もっと気持ちよく楽しめるホール作りを目指したい」と、受動喫煙対策が正しく認知されていく中でファン拡大に繋げたいとの考えを示した。