日本遊技機工業組合(日工組)は12日、昨年12月20日に改正された「技術上の規格解釈基準」および、この改正により日工組が新たに定めた「日工組内規」の詳細を公表した。
今回の改正の主なポイントは、「①時短の作動回数の上限値(100回)の撤廃」「②従来の時短に加え、2種類の新たな作動契機による時短の追加」「③確率変動リミッター上限値の数が条件付きで2個設定可能」の3点。
作動回数の上限値の撤廃は全ての時短に適用されるもので、これまで100回に規定されていた時短回数の上限値がなくなり、101回以上の時短の搭載が可能となる。また、これまで時短の作動契機は「a大当り終了後(確率変動終了後)」だけだったが、「b低確率中の規定回数の図柄変動後」と「c低確率中の特定図柄の表示後」が追加。ただし、これらの時短回数は日工組内規で「大当り確率分母3.8倍以下」(設定搭載機は最も低い確率)とその上限値を定めており、大当り確率199分の1のライトミドルタイプであれば、時短の最大作動回数は756回となる(※下表参照)。
また、「b低確率中の規定回数の図柄変動後」の規定回数は、「技術上の規格解釈基準」として大当り確率の分母2.5倍以上~3.0倍以下と定められており、大当り確率199分の1のライトミドルタイプであれば、時短が作動するまでの回数は498回~597回となる(※下表参照)。なお、「c低確率中の特定図柄の表示後」における、特定図柄の表示される図柄の数や確率は定められていない。
■「遊タイム」作動契機の確率別の具体例
大当り確率(低確率) | b時短が作動するまでの回数 |
1/ 99 | 248回 ~ 297回 |
1/199 | 498回 ~ 597回 |
1/319 | 798回 ~ 957回 |
設定⑥ 1/99 設定① 1/119 | 297回(1通りのみ) |
設定⑥ 1/266 設定① 1/319 | 798回(1通りのみ) |
設定⑥ 1/250 設定① 1/319 | 作動不可 |
■「遊タイム」作動回数の具体例
大当り確率(低確率) | b時短の作動回数 |
1/ 99 | 最大376回 |
1/199 | 最大756回 |
1/319 | 最大1212回 |
確率変動リミッターの上限値については、「確率変動100%(転落なし)に限る」「各出現率を10分の1~10分の9の範囲で設定」という2つの条件を満たせば2個のリミッターを設定可能となる。
日工組は、規定回数まで大当りしなかった場合に突入する新しい時短を「遊タイム」と呼称し、「『遊タイム』をはじめとする新機能は、パチンコの遊技性を向上させる可能性を秘めており、ファンのみなさまにもきっと新鮮な驚きをもって受け入れられると確信しております。4月にはパチンコホールが原則屋内禁煙になるなど、パチンコ業界を取り巻く環境は大きく変わることが予測されます。日工組では、新たなファンを獲得するチャンスと捉え、新時代のパチ ンコを創造するとともに、広報やプロモーション活動も行ってまいりますので、ぜひ今後の展開にご期待ください」としている。
これらの新機能は今年4月1日以降、パチンコホールに設置されるパチンコ機に適用され、現在、各メーカーが型式試験の申請を行っているという。