日本遊技関連事業協会(日遊協)は16日、本部会議室を拠点に定例理事会を開催。その中で、独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターがまとめた「ギャンブル障害及びギャンブル関連問題の実態調査」について、脳科学者の篠原菊紀氏(公立諏訪東京理科大学教授)が解説を行った。
同調査は、「ギャンブル等依存症対策基本法」に基づく初めての実態調査で、「ギャンブル等依存が疑われる人」の実態と、多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪などを含むギャンブル等依存症の関連問題の実態を明らかにすることを目的として、2020年10月から2021年2月にかけて実施された。
篠原氏は一部のメディアが報じた「SOGS(5点以上)2.2%」「最もお金を使ったのはパチンコ・パチスロ」という調査結果について、設問の課題があると指摘。そのうえで今回の調査は「非常に広範なリスクスクリーニングの結果にすぎない」との考えを示した。また、「科学的な根拠(エビデンス)のない発言や施策について適切に対処していくことは重要。今回の厚労省の発表について細かい注文を業界としてすべきかというと、今までの経緯を踏まえると、調査はしっかりとしてきており、マスコミ報道も過度に解釈するのは一部になってきている」と一定の評価を示した。今後は依存問題に対する補完調査など、業界として継続した調査を進めていく必要性があると訴えた。