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センスと死神【ぱちデザM氏の広告ブルブル#5】

スポーツや料理などで求められる「センス」。今回はこのセンスについてデザイン視点で考えてみる。センスを刈る死神が迫る前に広告関係者はご一読を。

まずセンスとは、

「感性的な理解力や感覚的な鋭さ、嗅覚、味覚、視覚、聴覚などの感覚的な能力によって、その分野において優れた判断や選択ができる力」

才能や直感に近いもので、習得可能な能力とされている一方で個人差が大きく、天性のものともいわれる。先天性と言われてるものの、後天的に「知識の蓄積」と「良し悪しの判断積み重ね」の掛け合わせを磨くことが、センスに繋がっていくと感じている。

以下、センスを磨くために私が必要と思っていることを紹介したい。

①観察・分析
デザイナーなら美術館や博物館、商業施設に足を運び、様々な作品を見ることで美的感覚を養うこと。
昨今はWEBで数多の作品が見られるので無限に養えるだろう。
AIを活用したイラスト・動画が今注目浴びてるが、検索の趣味嗜好を読み取った「あなたにオススメ」なサジェスト機能も優秀であり最適な作品も見れるだろう。

余談だが、同じエンタメ分野で先日任天堂の「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」が発売された。

YouTube広告やTwitter広告の展開は当然ながら、情報発信のタイミングや適切さなど広告展開は勉強になる。

発売日(0時)になると同時にTwitter広告、前日にはカウントダウン、1カ月前には解説、前年にはティザーPV、といった広告展開が行われていた。商品内容と商品広告は両輪であり、どれだけ優れていても知られてなければ存在していないと同じであり、相乗的に取り組むことが大事だ。

②体験
パチンコに関わるデザイン業務を担当している人の中で、一度もパチンコに触ったことがないって人が体感半数ぐらいいるし、代理店でも「パチンコ知らなくてもOK」なんて求人もある。
ユーザー・店舗数が減少し、コア化が進んでるため、競争激化な中で一度も触ったことない、は疑問である。
プレイヤー視点での体験をもとにデザインをすることはセンスに繋がる。

人気タイトルのコンテンツに触れるのもおすすめしたい。

「エレレカセブン」「ガロウ」なんていう上司が居たが指摘しづらかった。作品を知ることで、アプローチの幅も出るだけでなく熟知したデザイナーからのその作品「ならでは」な提案も多く受けられ効果的な広告展開もできるだろう。

③模倣
剣道や茶道などで、修業における段階を示した「守破離しゅ-は-り」の守る部分に通ずる模倣。
この部分についてはパチンコ業界の横展開の多さはトップクラスと感じる。
となりの芝生は青いじゃないが、デザインの依頼で「競合店の真似して」と画像送られてくることも多い。
ただこれまでのコラムで述べたように、「デザインの外面」のみを模倣してもイコール成功ではなく内面も読み模倣のレベルも上げなければ、真に身に付くことはない。

④量をこなす
高い質をもとめるのは当然だが、質を高めることにとらわれすぎず量をやってこそである。
なぜなら量を増やすことがやがて質の高さになる最善最短になるからだ。
私はもう10年ほど全国のパチンコホールのデザインを見るため巡回している。
ただ見るだけでなくいつでも参考閲覧できるよう保管してある点数は10万点を超えた。

センスは判断や選択ができる力と冒頭書いたが、それは同時に違和感を感じる能力とも言える。流行り廃り、効果的か否か、を見て判断する量を増やし習慣化すると違和感も生まれ、違和感をなくすための手段がすぐに思いつき、それが速度になり更なる量をこなすこととなる。

センスはよく「磨く」と言われる通り、どんなに先天性な才能があっても磨くことを怠ると一気に「枯れ」ていく。そうすると背後にはセンスを刈り取る「死神」が這い寄り、やがてセンスの「死」が訪れる。

どの分野でも一線で活躍し続ける人は「磨く」ことを怠ってないなとつくづく思う。

これを書きつつ自分でも改めて取り組むこと誓う。

広告を通して、「パチンコはかっこいい、クール」(メーカーのサウンド・デザイン・PVは今も一線級と思ってるが)なんてなれば、業界の裾野もより広がるだろう。

ぜひデザイナーだけでなくノンデザイナーでも関わる方は未来のために実践を!


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