新台導入状況、機種構成から経営企業ごとに考察を行っていく【パチンコ経営企業分析】。今回対象とするのは、新台(※1)を積極的に導入する傾向が強い東海エリアにおいて、存在感を示すグループの1つである「キング観光グループ(※2)」
「キング観光グループ」は全て「キング観光」の屋号で三重県、愛知県を中心に25店舗運営している。1000台以上の巨艦店舗も14店舗運営しており、1店舗あたりの平均設置台数は900台と大型店舗が中心となる。
パチンコ・パチスロ・貸玉別の設置構成を見ていくと、通常パチンコ:38.2%(平均33.3%)、低貸パチンコ:21.0%(平均28.0%)、通常パチスロ:35.7%(平均31.3%)、低貸パチスロ:5.1%(平均7.4%)と通常貸玉の比率が高くなっている。
同グループは、新台を積極的に導入するスタイルをとっており、2023年上半期で約5000台の新台を導入しており、これは1台あたり45万円で換算すると20億円以上となる。
そんな同グループの2023年度上半期における新台導入評価(※3)の推移は下表の通りとなる。
パチンコ | パチスロ | |||
S店舗 | A店舗 | S店舗 | A店舗 | |
1月 | 9 | 3 | 11 | 4 |
2月 | 9 | 2 | 11 | 5 |
3月 | 9 | 2 | 11 | 6 |
4月 | 9 | 2 | 11 | 5 |
5月 | 9 | 2 | 11 | 5 |
6月 | 10 | 2 | 11 | 4 |
どちらかというとパチスロの方が積極的で、「S」「A」ランクは1000台以上の大型店に多い傾向が見られる。
次に、資産価値額(※4)を見ていくが、こちらも常に平均値を超えていた。
2023年の同グループの資産価値額は下表の通りとなる。
パチンコ | パチスロ | |||
キング観光 | 全体 | キング観光 | 全体 | |
1月 | 292,114 | 202,124 | 523,632 | 421,307 |
2月 | 263,100 | 182,630 | 519,672 | 419,814 |
3月 | 260,769 | 183,046 | 528,390 | 434,449 |
4月 | 232,155 | 153,280 | 605,175 | 465,101 |
5月 | 237,446 | 154,574 | 578,487 | 456,986 |
6月 | 248,930 | 163,440 | 534,293 | 430,675 |
東海地方を中心に店舗展開しているグループはジャグラー系よりも30パイの機種を好む傾向があるものの、パチンコだけでなくパチスロも平均額を大幅に超えていた。
「キング観光グループ」が三重県桑名市にて営業中のパチンコホール『マリオンガーデン1300桑名店』を事業承継するというニュースには脅かされた人も多かったことだろう。このような積極的な動きも見せる「キング観光グループ」。この先はどのような動きを見せてくれるだろうか。
※1:新台は発売から4週以内に導入されたもののみとする
※2:閲覧有効期限 7/8まで
※3:新台導入評価
直近半年間における新台の導入台数・導入機種数・新台導入回転率・1機種当たりの最多台数をそれぞれ順位化し、その合計得点を元にS~Eの6段階で評価したもの
なお、S:全国500位以内、A:全国1000位以内、B:全国2500位以内となっている。
※4:資産価値額
各機種における中古取引額の平均値を足していき、店舗の平均額を算出したもの
店舗における機種の価値を判断する指標となる
斜陽産業
良く聞け此の汚れともが全うに働け