昔からよく知るホールが立て続けにM&Aで他社に買収された。経営する店の数はどこも2~3店舗。駅前や繁華街立地のいわゆる老舗パチンコ店で経営者は2代目3代目だった。
顧客基盤はしっかりあるがもちろん他のホールと事情は同じで大半を占めるのは高齢者。人口減の影響で客数減は止まらない。まだ赤字になるほどではないが今後必要となる設備投資を考えるとそれだけの費用をまかなえるか心配にはなる。
「自分の場合は銀行経由で話が来て、従業員の雇用のことや店の将来性など考えて話に乗ることにした」と単店経営のある経営者が言った。自身の健康や後継者不在が理由となることも。
M&Aや吸収合併で経営企業の統廃合が進んでいるとはいえ、3店以下のグループが全体の7割以上を占め、いまだ中小零細企業の集まりであることに変わりはない。このまま店を増やして成長軌道を目指すのか盤石な経営体質を守りながら安定した企業体を維持するのか。
経営戦略は個々それぞれだが考えうる選択肢はそれほど多くない。大手に対抗できる戦略戦術を一生懸命考えている、と最近経営を継いだ若手社長が言った。やる気はあるが何をしたらいいのか。失敗を恐れない無謀な挑戦、若さと勢い。
※本コラムは「日刊遊技情報」より抜粋