6回目となる全国遊技業青年部交流会が5日、広島市中区基町のリーガロイヤルホテル広島において開催された。23都府県の遊技業協同組合青年部より133人が参加した。広島県遊協と山口県遊協の青年部会が共同で幹事を務めた。広島東洋カープの元監督で第3回WBC日本代表の監督も務めた山本浩二氏が「「野球バンザイ」~チャンスを活かせ~」と題した記念講演を行った。第2部では、14のテーブルに分かれ、「緊急ミッション!遊技人口を回復せよ!」をテーマにグループディスカッションを実施した。第3部の懇親会で参加者は交流を深めた。
開会の挨拶では幹事県を代表して広島県遊協青年部会長の李浩宰氏が登壇し、「ファン人口回復のためには業界の全関係者が団結する必要がある」と訴えた。また来賓祝辞では、広島県遊協理事長の池田仁志氏が、「目先のことではなく、これからのことを考えなければならない時期に来ている。いま業界はたいへんな状況にあると認識しなければならない」と、危機感の共有を呼びかけた。
グループディスカッションでは、遊技通信社代表取締役の伊藤實啓氏がコーディネーターを務めた。遊技機メーカーからの出席者もあり、グループディスカッションの各テーブルに参加。ホールとメーカー、それぞれの立場から議論を行った。約100分間の時間のなかで、①なぜここまで遊技人口が減ったのか、②問題点を解決する方法、③メーカーとホールで協力できることは何か、の以上3点を話し合い、その結果を各テーブルの代表者が発表した。
遊技人口減少の原因として、遊技機価格の高騰や、いわゆる抱き合わせ制度によりホール営業が高利益体質を余儀なくされていること、次いで等価交換による10割営業により遊べなくなったこと、スマホをはじめとする競合メディアとの競争で劣勢にまわっていることなどを挙げるテーブルが多かった。解決策としては、効果的なメディア戦略・イメージ戦略の展開と、無料で遊べるアンテナショップの展開が多く挙げられた。また発表では、効果が見えないとする社会貢献をすべて止め、電通などに投資してメディア戦略を強化すべきといった意見や、全ホールを一斉に禁煙にすべきといった意見、さらには遊技機を買い切り制ではなく1日2000円程度のレンタル制にすべきなど、極端にも聞こえる意見も出された。
グループディスカッションの結果発表後には、三洋物産商品開発部長の風岡喜久夫氏がメーカーの立場から、「メーカーとホールが共同でできることは、まだたくさんある。そのために危機感を持ってはいるが、悲観もしていない」と感想を述べた。またコーディネーターの伊藤氏は、低交換率だった昔には、遊技機に勝っても金額的には勝てていないことも多く、それでも「経験価値」を得て満足していた客が多かったと話し、遊技機の性能でもホールの施策でも、「勝ち率」よりも「勝ち額」に偏重している現状に客離れの一因があるのではないかと指摘した。
懇親会では、山口県遊協理事長の梁川康成氏が来賓祝辞を述べ、SANKYO取締役常務執行役員営業本部長の富山一郎氏が乾杯の音頭を取った。
[2015年2月10日・日刊遊技情報]