全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)が全国の各都府県方面遊技業協同組合を通し、傘下ホールに対し「一般入賞口に10分間で数十個入賞する」パチンコで営業に供することを通達していたことが、全国の複数のホールへの取材からわかった。
この通達は、遊技産業健全化推進機構(機構)が6月より開始した遊技機性能調査の6月と7月の結果を全日遊連から各都府県方面遊協に伝える連絡文書である8月3日付「全日遊連発第176号」に記載されていた。取材した限りでは、全国の都府県方面レベルの各遊協は翌4日付の文書で支部などを通じ傘下組合員に、全日遊連からの伝達内容をほぼそのままの形で伝達している。
「一般入賞口に10分間で数十個入賞する」状態は、日本遊技関連事業協会(日遊協)が7月6日の東京会場よりスタートさせた「一般入賞口に入賞する遊技機への是正について」をテーマとした「健全化勉強会」で提示された“基準”とまったく同じ状態である。
この勉強会について日遊協は7月16日の記者会見で、「(日遊協が)自主的な判断で開催した。(数値については)各組織と具体的な数値について調整していては間に合わないと判断して、見切りでもいいので実施した。数字が勝手にひとり歩きして“基準”となっても構わない」と説明していた。
日遊協のこの勉強会では「公式発表ではないため“認識のレベル”に留めておいてほしい」と留保を付けつつも、「一般入賞口に10分間で数十個入賞する」状態への改善を勉強会の参加者に促していた。この8月3日付全日遊連発の通達により、日遊協だけでなく全日遊連もこの状態を「是正された状態」とする認識を共有していることが明らかとなった。
[2015年8月21日・日刊遊技情報]