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都遊協、議案「適切な賞品提供の徹底について」上程の理由

東京都遊技業協同組合(都遊協)は9月29日に開催した定例理事会において、都内ホールで主流となっていたいわゆる「業界等価」を止めて、例えばこれまで4円パチンコ250個、20円パチスロ50枚で提供されてきた0.1gの金地金賞品の交換玉(メダル)数を280個と56枚に変更することを決議した。

この決議は、理事会の第3号議案「適切な賞品提供の徹底について(案)」として上程された。以下に、理事会で配布された文書のなかにある「上程の理由」全文を引用転載する。ここには都遊協がこの決断に至った背景が説明されており、業界全体でそれを共有すべきであると判断したためである。なおこの「上程の理由」は、第3号議案の内容を記した「資料1‐1」全3枚のうちの2枚目と3枚目に記されている。

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今、行政は、ホール営業者に対し、射幸性の抑制を強く指導しています。その柱に示しているのが、「適切な賞品提供の徹底」と「一般入賞口に玉が全く入らない遊技機」についてであります。

一つ目の「適切な賞品の提供」については、等価交換を徹底し、射幸性の抑制と図るとして、平成23年10月6日「ぱちんこ営業における適切な賞品提供の徹底について」と題する通知文書を発出し、等価交換について「等価の物品とは、同等の市場価格を有する物品をいう。市場価格とは、一般の小売店(いわゆるディスカウントストア等を含む。)における日常的な販売価格をいい、特別な割引価格はこれに該当しない。市場価格と異なる価格に基づいて賞品を提供することは等価交換規制に反する賞品の提供方法である」と具体的に解説しています。

金賞品の提供において常態化している、いわゆる「業界等価」、つまり「逆ザヤ」について、改善を投げかけられた通知文書でもあります。

都遊協では、上記、行政の指導を受け、平成26年11月27日開催の理事会において、「遊技場営業においてお客様に提供する全ての賞品は、少なくとも、『仕入れ価格+仕入れ経費』を下回る価格で提供しない」を基本方針とする「遊技場営業における適切な賞品提供の在り方について」が承認され、現在推進中でありますが、「様子見」的な実情にあり、早急な是正が喫緊の課題となっています。

二つ目の「一般入賞口に玉が全く入らない遊技機」については、行政から、現在市場に出回っているぱちんこ遊技機について、強く改善を求められています。

併せて、本年6月から健全化推進機構による遊技機性能(釘曲げ)調査が実施され、12月からは、異常が確認された場合には行政に通報されることとなっています。

そして、行政は、「健全化推進機構からの警察への通報制度が開始された以降の警察の摘発により健全化が図られるものであってはならない」と言い、自浄努力による改善を強く促しています。

行政が強く指導する「射幸性の抑制」、すなわち「適切な賞品提供の徹底」と「一般入賞口に玉が全く入らない遊技機」の問題は、密接不可分であり、ホール営業の根幹に関わる問題であります。

行政へ見える形として「射幸性の抑制」を示すことと営業利益の確保、更にはお客様の遊技環境を損なわず大衆娯楽として営業するという三面から解決の糸口を見つけなければなりません。

その糸口となるのが、金賞品提供価格の下限の設定による価格改定と考え、議案として上程したものです。

ホール営業は自由競争ですが、業界あっての自由競争でもあります。大衆娯楽、健全娯楽として、後世に引き継ぐためにも、都遊協は、今、一枚岩としてこの難題に取組み、解決することが最良の道と思いますので、ご理解の上、ご審議の程宜しくお願い申し上げます。

なお、関連資料につきましては、別途「資料1‐2、資料1‐3、資料1‐4」のとおりです。

[2015年10月1日・日刊遊技情報]

東京都遊技業協同組合(都遊協)
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