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余暇進、秋季セミナーを開催~行政講話と都遊協・日工組による説明が行われる

余暇環境整備推進協議会(余暇進)は17日、東京都港区海岸のホテルインターコンチネンタル東京ベイにおいて、2015年度の秋季セミナーを開催した。警察庁生活安全局保安課の大門雅弘課長補佐が行政講話を行った。都遊協事務局次長の鈴木洋一氏が「適切な賞品提供の在り方について」、また日工組技術担当理事の渡辺圭市氏が「今後の遊技機開発」をテーマとした講演を行った。セミナーには同会の会員を中心に189人が参加した。

講演に先立つ挨拶のなかで余暇進の笠井聰夫代表理事・会長は、「娯楽産業での肝要な点は信用と信頼。昨年来、警察庁のご指導をいただきながら、のめり込み対策や高射幸性遊技機に対する措置など、パチンコ・パチスロの根幹にかかわる課題に取り組んでいる。長く住んできた住まいには愛着があり快適であるが、折々に点検や手入れをしなければ保てない。点検・手入れの際には不自由もするが、ふたたび快適な暮らしをしていくためには必要なこと。いま業界として取り組んでいることや、これから業界が始めようとしていることは、これに類する取り組みだろう。業界を挙げての真摯な取り組みは、ファンからの理解、社会的認知の向上、また業界の再生・発展につながるものと確信している」と述べた。

都遊協の鈴木事務局次長による講演では、都遊協がこのほど実施に踏み切った、いわゆる「脱・業界等価」の経緯と手順について説明。「業界等価」が残っている地域で「脱・業界等価」に動き出す際に、都遊協が先行事例として参照できるだけの詳細な資料も用意された。

日工組の渡辺理事による講演では、「高射幸性遊技機リスト」、「部品交換」、「遊技くぎ」の3項目がテーマとなった。

パチンコの「高射幸性遊技機リスト」については、リスト作成に至った経緯を説明したうえで、掲載する遊技機の基準について、「もっとも有利な状態において、獲得できる遊技球数の期待値が9000個以上のもの。また320分の1以下の機種のなかから市場データで10万個以上の差玉が出ているもの」となっていると述べた。「今後も該当する性能の機種があれば追加する」とした。

「部品交換」のテーマでは、日工組、日電協、日遊協の3者により現在、議論をすすめている内容を紹介した。この議論は、部品を、主要な部品の「A群」と、その他の「B群」とに分類し、A群はメーカーもしくは委託業者による確認が必要となり、B群はホールによる確認でもかまわないとするもの。また釘折れの際の対処についても議論されているとして、誰が確認し誰が交換するのかが問題になるとしつつも、「釘の点検はおそらくメーカー対応になるだろう」との見通しを示した。

「遊技くぎ」についてはまず、この問題に関して日工組がこれまでに取り組んできた工程を整理した。日工組が9月中に用意した「遊技くぎ」問題に対処するための工程は4段階。第1段階が「日遊協主体の勉強会で示されたBY3の状態とすること」、第2段階が「320分の1以上の遊技機の持ち込み」、第3段階が本年11月より開始した「“きれいなゲージ構成”での保通協試験への持ち込み」、第4段階が「大当り継続率65%以下と設計した遊技機の保通協試験への持ち込み」とし、この第4段階の開始時期を来年2月頃と予定している。

日工組はこの工程を9月中旬に行政当局へ報告。10月には当局より、設置されているパチンコについての調査依頼があり、その結果、検定時と異なった状態で出荷されている遊技機の存在を確認している。このことを受け、「根本的にゲージの設計および仕様の設計値を見直していく必要がある」ことを確認し、「釘が従前よりまっすぐな状態で検定の適合が得られるように努めていく」ことを決めた。

今後について同氏は、「社会に対して今後の遊技機開発の方向性を伝える声明文を出す。また回収についての具体的なスケジュールを近々に発表することができるように準備をすすめている。そのスケジュールに沿うかたちで、大当り継続率65%以下の機械が出揃ってくるのが望ましい」と述べた。

[2015年11月24日・日刊遊技情報]

余暇環境整備推進協議会(余暇進)

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