回胴式遊技機商業協同組合(回胴遊商)は24日、東京都文京区の東京ドームホテルで2016年度組合大会及び、講演会と懇親会を開催した。冒頭で挨拶に立った伊豆正則理事長は、組合大会に先立ち開かれた通常総会で、全ての議案が可決されたことを報告。4月から運用が開始されている「製造業者遊技機流通健全化要綱」及び「遊技機製造業者の業務委託に関する規程」については「遊技機取扱主任者のレベルアップを図るため、全国各地で技術技能試験を実施している」とした。また組合員を取り巻く現状については、「遊技機取扱主任者等の業務量は増加する一方で、それにより労働環境の一層の悪化が予想される。調査結果を見る限りは社会問題化してもおかしくないレベル。今後は働き易く希望の持てる業界に変革するために業界団体等へ改善を求め、回胴遊商は行動を起こしていく」と語り、労働環境の改善に強い意欲を示した。さらに「業界が大きな決断と実行なくして業界の未来はない」と業界団体の団結と決断、実行の重要性を主張した。続いて警察庁生活保安部保安課の大野敦係長が来場し、小柳誠二課長の挨拶を代読。業界が一致団結し、国民から親しまれる大衆娯楽となるためへの取組みの推進を求めた。
組合大会後の講演会では、衆議院議員の葉梨康弘氏が「遊技業界と風適法の現状と課題」という演題で講演。同氏は警察庁出身で、1984年(昭和59年)の風適法改正作業の中心メンバー。「当時は7号営業(パチンコなど)と賭博を分ける3つのポイントがあり、それは技術介入性、娯楽性、小額性。技術介入性とはパチンコであれば、どこを狙ったら役モノに玉が入るのか、パチスロは1個1ボタンを押すこと。娯楽性は出玉率は限りなく1に近い形を取るということ。10時間遊技した際の出玉率が2分の1以上2倍未満という規則はここから。小額性とは、例えば1分間400円ルール。これは今でも変わっていない」と詳細を説明。当時の風適法改正における趣旨などを述べた。
またカジノなど今後の遊技業界の動向については、「カジノなどの賭博と7号営業をどう切り分けるかは悩ましい部分もあるが、少なくとも健全な娯楽である以上、遊技業界は優位性を持っている」とし、「今後は特に小額の娯楽に向かうことで、賭博との切り分けができる」と話し、私見ながらパチンコ業界の方向性と近い将来に賭博との関係性が見直されるという考えを述べた。
[2016年5月31日・日刊遊技情報]