パチンコ経営企業ごとに考察を行っていく【パチンコ経営企業分析】。
今回は直近の新台導入評価(※1)において、パチンコ、パチスロともに「S」ランク店舗数が上位の「大阪府」の新台導入評価について見ていく。
まず直近の集計時点における「大阪府」の店舗数は、「東京都」に次いで2番目に多い473店舗。パチンコ・パチスロ貸玉別の設置構成を見ていくと、通常パチンコ:36.5%(平均32.8%)、低貸パチンコ:27.4%(平均27.9%)、通常パチスロ:29.2%(平均31.9%)、低貸パチスロ:6.9%(平均7.4%)と、パチンコ通常貸玉の設置比率だけが全国平均より上回っているのが特徴的である。
そんな「大阪府」の新台導入評価における「S」「A」ランク店舗数は下表の通りとなる。
期間 | パチンコ | パチスロ | ||
「S」 | 「A」 | 「S」 | 「A」 | |
2022年8月~2023年1月 | 45 | 38 | 26 | 33 |
2022年9月~2023年2月 | 41 | 46 | 28 | 19 |
2022年10月~2023年3月 | 46 | 39 | 25 | 23 |
2022年11月~2023年4月 | 44 | 46 | 23 | 37 |
2022年12月~2023年5月 | 41 | 42 | 23 | 35 |
2023年1月~2023年6月 | 39 | 42 | 20 | 34 |
2023年2月~2023年7月 | 38 | 48 | 28 | 33 |
2023年3月~2023年8月 | 41 | 40 | 30 | 36 |
2023年4月~2023年9月 | 39 | 41 | 29 | 34 |
このように、「S」ランクだけでなく「A」ランク店舗数もパチスロよりもパチンコのほうが圧倒的に多い。「大阪府」におけるパチンコ・パチスロの設置比率は、パチンコが63.9%、パチスロが36.1%とパチンコの設置比率が高いことも、パチンコのほうが積極的に新台を導入している一因となるのだろう。
それでは「S」ランク店舗について見ていく。
大阪府内において、どちらかにでも「S」ランク評価だったのは43店舗。これは21グループに含まれるが、そのうち複数店舗を持つグループは下表の通りとなる。
「S」ランク店舗数 | |||||
グループ名 | 店舗数 | P | S | 両方 | 計 |
延田エンタープライズグループ | 28 | 7 | 5 | 5 | 7 |
アンダーツリーグループ | 45 | 5 | 5 | 5 | 5 |
平川商事グループ | 16 | 5 | 2 | 2 | 5 |
アライ興産グループ | 14 | 5 | 5 | 5 | 5 |
ベニス産業グループ | 10 | 0 | 3 | 0 | 3 |
アサヒディードグループ | 11 | 2 | 1 | 1 | 2 |
ベガスベガスグループ | 3 | 2 | 0 | 0 | 2 |
※同一店舗でパチンコ、パチスロそれぞれ「S」ランクの場合もあるので、合計値と「P」「S」の合算値は異なる場合がある
※店舗数は「大阪府」内の営業店舗数
このように、大阪府内で多店舗展開している経営グループが上位に来ているものの、それぞれの経営グループの府内および「S」ランク店舗数を比較するとその比率はあまり高くない。
大阪府内の「S」ランク店舗比率がそれほど高くないのは、このような傾向であることが一因だろう。
また、パチンコが中心の市場であるので、パチスロのみ「S」ランクとなっているのは、上表の中では「ベニス産業グループ」以外は見られなかった。
どちらかというとパチスロのほうが好調な中、このようにパチンコ中心の入替戦略をとっているところが多い「大阪府」、今後も同様の傾向が続いていくのだろうか。
※1:新台導入評価
直近半年間における新台の導入台数・導入機種数・新台導入回転率・1機種当たりの最多台数をそれぞれ順位化し、その合計得点を元にS~Eの6段階で評価したもの
なお、S:全国500位以内、A:全国1000位以内、B:全国2500位以内となっている。