【パチンコ経営企業分析】マルハングループの新台導入状況、スロットは年々増加しているがパチンコは減少傾向に

今回は「マルハングループ」の各種数値について、年別に見ていきたい。

まず「マルハングループ」の店舗数・台数推移を2020年から年ごとの推移を見ていくと、下表の通りとなる。

マルハングループ店舗数推移
年月	店舗数		P台数		S台数		総台数
	店舗数	前年差	台数	前年差	台数	前年差	台数	前年差
2020年12月	310		139,853		77,728		217,581
2021年12月	311	＋1	140,560	＋707	76,527	▲1,201	217,087	▲494
2022年12月	311	±0	142,801	＋2,241	77,493	＋966	220,294	＋3,207
2023年12月	313	＋2	140,604	▲2,197	83,016	＋5,523	223,620	＋3,326
2024年12月	314	＋1	138,668	▲1,936	88,601	＋5,585	227,269	＋3,649

このように、店舗数は2024年は「マルハン南宮崎店」「マルハンＳＬＯＴ仙台一番町店」「マルハン敦賀店」「マルハン仙台苦竹店」の4店舗がグランドオープンしたが、2023年末と比較すると1店舗の増加にとどまる。

また、台数推移を見ていくと、パチンコは2022年以降減少傾向が続いているが、スロットは同時期は毎年5千台以上増加しており、その結果グループ全体の設置台数はここ数年3千台以上増加していた。

続いて新台（※）の導入状況を2022年から3年間見ていくと下表の通りとなる。

マルハングループ新台導入推移
年	全体		パチンコ		スロット
	台数	前年差	台数	前年差	台数	前年差
2022年	123,928		83,227		40,705
2023年	120,330	▲3,598	77,499	▲5,728	42,831	＋2,126
2024年	106,453	▲13,877	61,243	▲16,256	45,210	＋2,379

※新台は導入日から４週以内に導入したもののみとする

このようにスロットの新台導入台数は年々増加しているのだがパチンコは減少しており、その結果グループ全体で見ても2年連続で前年以下の新台導入台数となった。

これに伴い、集計時点から半年間における新台導入評価を見ていくと下表の通りとなる。

なお、これは半年間の実績値に基づく評価であり、「Ｓ」ランクは全国500位以内、「Ａ」ランクは全国1000位以内の店舗が該当する。

マルハングループ新台導入評価
集計期間	パチンコ		スロット
	【Ｓ】	【Ａ】	【Ｓ】	【Ａ】
2022年7～12月	69	65	64	52
2023年7～12月	48	57	53	47
2024年7～12月	45	60	50	51

このように、「Ｓ」ランクの店舗は2022年12月の集計時点と比較すると、パチンコ・スロットともに「Ｓ」ランク店舗数は10店舗以上減少していた。

これは相対評価によるものなので、他グループと比較すると積極的に導入する店舗が減少しているといえよう。

最後に、資産価値額も直近3年間について見ていく。

資産価値額はその当時の中古取引状況によって変動するので、前年との比較は意味がないので平均額との比較とする。

マルハングループ資産価値推移
年月	パチンコ		スロット
	資産価値	平均差	資産価値	平均差
2022年12月	230,741	＋45,590	485,697	＋113,093
2023年12月	233,152	＋43,537	375,245	＋92,610
2024年12月	140,944	＋15,949	306,589	＋61,553

このように常に平均額より1万円以上高いのだが、その差は年々狭まっていた。

特にパチンコの資産価値額の平均値との差が急激に少なくっていたのが目に付いた。

以上のことから「マルハングループ」においては、スロットへの比重を高めている印象を受けた。パチンコにおいては資産価値額は平均値を上回っているものの、その差は少なくなっており、今年はどのように推移していくのだろうか。

[文・構成／情報島編集部]