【パチンコ経営企業分析】ダイナムグループの店舗数・台数推移、店舗数が減少したにも関わらずスロット台数は増えている

今回は「ダイナムグループ」の各種数値について、年別に見ていきたい。

まず「ダイナムグループ」の店舗数・台数推移を2020年から年末時点の数値を見ていくと、下表の通りとなる。

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ダイナムグループ店舗数・台数推移
年月 店舗数 P台数 S台数 総台数
店舗数 前年差 台数 前年差 台数 前年差 台数 前年差
2020年12月 445 145,072 63,591 208,663
2021年12月 437 ▲8 143,316 ▲1,756 62,197 ▲1,394 205,513 ▲3,150
2022年12月 434 ▲3 143,157 ▲159 62,589 +392 205,746 +233
2023年12月 436 +2 142,242 ▲915 71,176 +8,587 213,418 +7,672
2024年12月 429 ▲7 137,282 ▲4,960 74,625 +3,449 211,907 ▲1,511
このように、2024年の店舗数は、M&Aで取得した『ダイナム茨城江戸崎店』を8月にグランドオープンしたものの、2023年末と比較すると7店舗減の429店舗となった。

一方で設置台数を見ていくと、7店舗減少したにも関わらず2024年末のスロットは、2023年末よりも3,555台増台していたが、パチンコは4,834台減少しており、グループ全体でも1,279台の減少となる。

これを貸玉別に分類していくと

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ダイナムグループパチンコ・スロット貸玉別台数推移
年月 パチンコ スロット
通常 低貸 通常 低貸
台数 前年差 比率 台数 前年差 比率 台数 前年差 比率 台数 前年差 比率
2020年12月 40,342 19.3% 104,730 50.2% 26,860 12.9% 36,731 17.6%
2021年12月 40,804 +462 19.9% 102,512 ▲2,218 49.9% 26,590 ▲270 12.9% 35,607 ▲1,124 17.3%
2022年12月 40,897 +93 19.9% 102,260 ▲252 49.7% 26,794 +204 13.0% 35,795 +188 17.4%
2023年12月 40,286 ▲611 18.9% 101,956 ▲304 47.8% 30,859 +4,065 14.5% 40,317 +4,522 18.9%
2024年12月 38,140 ▲2,146 18.0% 99,142 ▲2,814 46.8% 31,693 +834 15.0% 42,932 +2,615 20.3%
このように、パチンコは2023年末から2024年にかけて貸玉問わず減少幅が最も大きかった。一方、スロットは貸玉問わず前年よりも設置台数が増えている。その中でも、2024年末は低貸玉の増加幅が最も大きくなっていた。

続いて新台(※)の導入状況を2022年から3年間見ていくと下表の通りとなる。

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ダイナムグループ新台導入推移
全体 パチンコ スロット
台数 前年差 台数 前年差 台数 前年差
2022年 59,550 44,224 15,325
2023年 59,802 +252 39,206 ▲5,018 20,596 +5,271
2024年 42,481 ▲17,321 23,798 ▲15,408 18,683 ▲1,913

※新台は導入日から4週以内に導入したもののみとする

このようにパチンコの新台導入台数は激減し、2022年と比較すると約半分まで減少していた。一方、スロットは設置台数は増加していたものの、新台導入台数はパチンコ同様2023年よりも減少していた。

これに伴い、集計時点から半年間における新台導入評価を見ていくと下表の通りとなる。

なお、これは半年間の実績値に基づく評価であり、「S」ランクは全国500位以内、「A」ランクは全国1000位以内の店舗が該当する。

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ダイナムグループ新台導入評価
集計期間 パチンコ スロット
【S】 【A】 【S】 【A】
2022年7~12月 2 9 7 8
2023年7~12月 0 7 1 5
2024年7~12月 2 8 3 14
このように、新台導入台数はパチンコ・スロットともに減少していたのだが、新台導入評価を見ると前年よりも高ランク店舗がパチンコ・スロット問わず増加しており、旗艦店舗に集中しているものと推察される。

最後に、資産価値額も直近3年間について見ていく。

資産価値額はその当時の中古取引状況によって変動するので、前年との比較は意味がないので平均額との比較とする。

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ダイナムグループ資産価値推移
年月 パチンコ スロット
資産価値 平均差 資産価値 平均差
2022年12月 164,403 ▲20,748 320,432 ▲52,172
2023年12月 164,626 ▲24,989 246,327 ▲36,307
2024年12月 108,670 ▲16,325 189,818 ▲55,218
このように低貸玉の設置比率が高いグループであるので、平均値を上回っていなかったものの、パチンコは平均値の差が縮まっており、スロットは低貸玉の設置台数が増加した影響もあるのか、平均値との差は広がっていた。

以上のことから「ダイナムグループ」においては、スロットへの比重を高めているものの、そこまでスロットへの投資を強化している印象は受けなかった。さて2025年はどのような動きを見せてくれるのだろうか。

[文・構成/情報島編集部]

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