パチンコ台のハンドルチェック。これは「コインなどの異物がハンドルに挟まったままになっていないか」を確認する作業のことだ。開店前や閉店後のルーチンワークとして、どのパチンコホールでも毎日行っていることだろう。(こういった細かい点も含めて)遊技台や設備機器のメンテナンスは、営業時間外における現場担当者の重要な任務である。
話は少し変わって。
不振店舗の立て直しを依頼された際に、弊社では営業コンサルタントを現場へ派遣していた時期があった。(月に数回顔を出して偉そうに指導するのではなく)店長として毎日現場に張り付き、営業の陣頭指揮をとる「完全常駐型のコンサルスタイル」である。
当時クライアントとの窓口になっていた私も店舗に足を運んで、コンサルタントと作戦会議に勤しんだものだ。そうして打ち合わせが一段落すると、彼がハンドルチェックを始めるという。時刻は深夜3時過ぎ。「これから全台の玉飛びをチェックするから手伝って」と言われて、心底驚いたことを今でもよく覚えている。
彼の中のハンドルチェックとは「異物確認」ではなく「玉飛び確認」のことだった。1台1台ずつハンドルをひねって、玉が問題なく発射されるかを確認する作業である。コインが挟まっていないか確認するのとは、むろん比べ物にならないほど時間がかかる作業だ。
たしかに意図は理解できるが、対価が労力に見合わないのではないか。そんな疑問をぶつけてみると、彼の回答は明快だった。「アウトを1玉でも上げるために、自分がやれることは全てやるべき」だと。そう言われたら手伝わないわけにはいかない。そうして明け方までずっと玉飛びチェックを続けたのも今となっては良い思い出である。
昨日、近所のホールで遊技していると、玉が上手く飛んでくれないトラブルに見舞われた。スタッフさんにハンドル部分を直してもらっている間に、こうした昔話を思い出した次第である。
働き方改革が浸透しつつある昨今では、非効率的な仕事のスタンスは時代錯誤なのかもしれない。もちろん深夜のサービス残業など以ての外だ。それでも、やれることを出来るだけやるための方法論はこれからも考え続けたいものである。ユーザーへ最適な遊技環境を提供することは、パチンコホールにとって大きな使命の一つなのだから。
右に目一杯捻っても右に飛ばない台は確かにいらつく
とてつもなくポジティブなお話だけれども
閉店後にハンマーとゲージ棒持たない店長なぞ見たことも聞いたこともない
外ヅラだけがよい話はもう結構だ
コンサルをとてつもなく「いい人」のように描くのはどういう了見なのか