店舗は併設店とスロ専の2店舗を経営している50代前半の副社長は、自分の代で会社を潰してしまうのではないか、と不安で不安でしょうがない毎日を送っている。
藁にもすがる思いで、コンサルタントにも頼ってみたが業績を上げることはできなかった。そりゃ、そうだ。コンサルタントは魔法使いではない。どんな状況の店でも立て直すなんてことはできない。
そもそもコンサル会社がやっていたことはイベント会議で、それをチラシにどう落とし込むか。つまりイベント規制前はいかに集客するかに腐心していた。それは稼働を上げるノウハウでもなんでもない。
イベントが禁止され一番困っているのは他ならぬコンサルだった。商売道具がなくなったからだ。
結果的にイベント規制はホールに考えることを止めてしまった。そして、パチンコ店の一大イベントである新台入替にシフトするわけだが、高い機械代を回収するには、稼働がある1週間以内に抜くようになった。
新装開店は出すイベントから今や回収イベントへ完全に方向転換してしまった。新台=回収というイメージがユーザーには刷り込まれていっているわけだから、客離れが起こるのは当然の帰結だ。
そんな状況だから店に入っても出玉感もなければ、ワクワク感、高揚感も湧くことはない。
この副社長は兎に角不安から、他店がどういうことをやっているのか知りたくて仕方がない。
「1パチは、客は付くけど、利益は上がらない。利益の上げる4パチにどうやったら客が付くのか」(副社長)
これは全国のパチンコホールの共通した悩みだろうが、高価交換に業界が突っ走った結果が、4円客の離反である。等価営業では客も店舗も持たないことは分かっている。だから、次は業界が一丸となって低価交換の方向へ舵を切らなければならない。
40玉、8枚交換の時代は貸し玉料金以外に、換金差益でホールは儲かった。出玉も120~140%で還元できた。等価に比べれば換金額は少なくなるが、ホールとユーザーのためには、これが一番いい営業方法である。
業界のあるホール団体の臨時社員総会で代表理事が「全国で足並みを揃えて交換率を30玉で営業できる基盤を作って行くべき」と述べたことはあるが、掛け声だけに終わっている。
段階的には30玉を目指し、最終的には40玉まで戻さなければ業界の将来はない。
結局、自分たちのまいた種じゃないか
今更足掻いても行き着くところにしか辿り着けない
未来が見えているなら傷が大きくならないうちに決断した方がいいんじゃないか?
交換率どうこうの問題ではない。
もう今のパチンコ業界は根本的に駄目なんだよ。
小手先の変化ではなく、今までとは全く違う抜本的な改革、パチンコ業界にとっては痛みを伴う改革をしなければいけない状況まできている。
でもパチンコ業界はそのような改革など出来やしない。
つまり、もう詰んでる。