【寄稿コラム】他業種の企業からパチンコホールの与信を不安視される、「10年後にこの業界はあるのですか」と

※画像はイメージです

設備メーカーの役員と話をした際のこと。自社製品が売れず、それでも利益を確保しなければならないので他社商品を仕入れてパチンコホールに売っているという。先日は「節電関係」の商材をホールから頼まれ、仕入れ販売したと。

電力設備は数千万円単位の案件であり、償却にも10年以上かかる。それでもなんとかリースも通り、納品できたことで「コレはいけるかも」と思った。むろん他のホールにも節電ニーズ自体はあるので、もっと販売したいと電力設備メーカーへ話を持って行くことに。

パチンコ業界との取引は今回初めてというそのメーカーは、特に業界にはこだわらないですよと言ってくれた。ところがあまり乗り気ではない様子で、心配なのはホール企業の与信だと言う。「大丈夫ですよ」と軽く答えると、先方から言われたことに心底ビックリさせられる。「電力設備は10年単位の投資です。そもそも10年後にこの業界はあるのですか」と。

10年後、20年後のパチンコ業界がどうなっているのか。明確にイメージすることは非常に難しい。もちろん拡大しているとは思えないが、かと言って消滅していることもまた想像できないものだ。ただしそれを担保することはおそらく誰にも出来ないのが本当にもどかしい、と。

スマート遊技機が間もなく市場に投入される。遊技機が変われば附帯設備や設計・意匠すべて変わるのがこの業界。投資に対する回収は長くて7年から8年を目途にしている。近年は収益率が下がって回収期間は伸びる傾向とはいえ、10年超えはさすがに厳しそう。

はじめから10年以内に投資回収したい事業者が、10年を大きく超える投資案件の是非を判断するのは容易ではない。郊外のパチンコ店跡地に残る「太陽光パネルの残骸」などという光景は、想像しただけで悪夢以外の何者でもないはず。新しいビジネスに取り組む難しさを痛感させられる。

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コメント 8件

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コメント一覧 (8件)

  • タピオカや白い鯛焼きみたいなもんで、もう流行らなくなってきたんですよ。それだけです。今でも生き残っているであろうタピオカ屋やその他は、きっと流行りの中、生き残る戦略を実現してきたから今も存在する訳で、パチンコ屋がどうこうではなく、潰れた所は事業として戦略に失敗しただけです。特にパチンコ屋だからどうこうではありません。経営方法の舵をとった上の人の失敗です。

  • ないと思うよ
    ギャンブル依存症が離れていく「ついていけなく」なるはずだし
    多分一番トドメを刺したのが総量規制じゃない?

  • あるわけないだろ。
    必要か?少し考えりゃわかるだろ。
    パチンコで国が豊かになるか?
    パチンコで国民が幸せになるか?
    不要は排除。閉店ラッシュは何故だ
    それが答えだ!バイバイ

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  • 警察の匙加減でどうにでもなる業界だよ。
    警察利権拡大のために射幸心の強い台が認められたら不死鳥の蘇るのは歴史が証明している。

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  • さすがに今回の設備投資に付いてこれる店舗は限られるだろう。
    ますます疲弊する業界。
    もっと潰したいのかもしれんが、上も甘い汁いつまで吸えると思ってんのかねぇ?

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  • 10年たったら世の中がどれほど変わると思ってんだ?初代のiPhoneが発売されたのが今から15年前だぞ。10年後にパチンコ業界なんて跡形もないよ。

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