市場調査した際によく見かけるのが「パチンコ●●●店・この先●Km」などと書かれた看板。主に郊外型のホールにおける案内看板ですね。
先日、東京都西多摩郡瑞穂町の市場調査を行いました。その中で『フェイス1100瑞穂』(フェイスグループ)を視察しましたが、入口近くの交差点にこうした案内看板があったものです。また、他にもメイン通りである「国道16号線(東京環状)」沿いにも、同様にいくつか看板がありました。
それらの看板には「ものまねタレントのコロッケさん」がイメージキャラクターとして採用されています。私は数年前、福岡県内のパチンコ店を視察して周りましたが、道路沿いには今回と同じく「コロッケさん」が看板に使用されたモノをいくつも拝見したことを思い出します。
ただし今回瑞穂町でその看板を観た時には、「コロッケさん=フェイスグループ」という印象はあまり無いなと感じたのが正直なところでしょうか。在京TV局ではパチンコ店のCMなんてあまり流れていないですからね。
なお、フェイスグループにおける関東圏の経営ホールは東京都瑞穂町と神奈川県座間市の2店舗だけですから、パチンコファンに対してコロッケさんの印象はそこまで強いとは感じないと思います。
ちなみに福岡北九州在住の方にフェイスグループのTVCMなどについて聞いてみました。すると、コロッケさんを使用したTVCMはあまり流れてはいないけれど、フェイスグループといえばコロッケさんというイメージはとても強いとのことでした。
他にも似たような状況があります。直近でクローズしてしまった千葉県習志野市の『イル・サローネ習志野店』(アサヒディ―ド)ですが、2年前に関東初進出した時にお笑いコンビ「メイプル超合金」をイメージキャラクターとして様々な広告に登場させていました。店舗のサイネージや案内看板にも掲載れていたので、近隣にお住まいの方は知っている人も多いことでしょう。
昨年オープンした『ビックマーチ東習志野店』(ジョイパック)も「鈴木奈々さん」がイメキャラとなる案内看板を出していました。どちらの法人様にも言えることですが、在京局でのTVCMがあったらイメキャラとパチンコ店との浸透はもっと十分得られたかもしれません。
また、大阪で創業し関東初進出となる千葉県で大成功した「アミューズ」も、この2~3年でイメージキャラクターを採用するようになりました。初代は「ロバート」でしたが、今年7月辺りから「チョコレートプラネット」に変わっています。同社のSNSでも登場している他、在京局ではチョコレートプラネット出演でラジオCMが流れていました。
このように、有名人を広告塔として宣伝活動を行っているパチンコ企業は少なくありません。その中でSNSなどを駆使して上手く宣伝出来ているところはやはり大きな効果があるようです。また、繰り返しとなりますが在京局ではパチンコ店のTVCMを流すことが難しいもの。一方でラジオCMならば比較的ハードルは低そうですので、色々と機転を利かせている法人様は成功しているといえるでしょう。
なお、今回紹介した法人様のほとんどは、本社が関東圏以外にあります。各々の本拠地のある地元ではTVCMを流すことが可能なケースが多く、イメキャラの印象が強いことでしょう。しかし関東に進出した際にもそれが浸透できるかどうかは、その法人様の戦略にかかっています。
いずれにしても、広告宣伝費には莫大な予算が掛かります。目立たせたい、集客したいという理由で有名人の起用を図る気持ちはよく分かりますが、費用対効果の測定は非常に難しいところ。パチンコ・パチスロの本来の意味は何だろうか、それらを改めて考えてから広告を出しても遅くはないと思います。
■プロフィール
拝 二刀(おがみ にとう)
パチンコ歴20年以上のホール従業員。最近は財布事情も厳しく、公休日のパチンコは低貸パチンコのみ。条件が良ければ高速道路を使って片道1時間のホールまで打ちに行くマスクを被った変わり者。さらに、最近オープンした「ゲームセンタータンポポ」に足繁く通っている。