今から約1ヶ月前のこと。とある業界トピックを読んでいると「スマスロ導入前のパチスロ開発を無料体験できる」という記事が目に飛び込んできました。これは面白そうですね。というわけで実際に行ってきました。まあ私はパチスロ派というよりもパチンコ派ですので、正直少し不安だったのですが。
ちなみに今回の体験講座は、いわゆるパチンコ業界への就職を目指す専門学校『G&Eビジネススクール』が主催したものです。2006年に生まれた学校ですね。出資会社の現役社員が実践的カリキュラムを持ち、人財育成する目的でこの教育的機関が生まれたそうです。同スクールでは、主に「開発系コース」と「営業・メディア系コース」、またそれらを合わせた「総合エンタテインメントコース」の3つに分けられます。
今回は同スクールの高原裕希彦学校長が、約2時間の体験講座にて教えて下さいました。この講座を受講した人と来年同スクールに入学予定の人を合わせて、参加者は20名ほど。教室に入ると1人ずつノートパソコンが置かれていました。
2時間の講座内訳としては、大まかに2つのアクションです。前半はスマスロや6.5号機を含めたパチスロ機の知識面について。そして後半は実際のパチスロ開発について実践してみるという流れでした。
まず前半のパチスロ機の知識については、主に2つの点に分けて説明。1つ目は主に「スマート遊技機に至った経緯」についてで、2つ目は「メーカーの職種研究」といった内容でした。
「スマスロと6.5号機の比較」や「スマスロになって出玉性能で変わる点・変わらない点」「スマスロや6.5号機の出玉の作り方」「遊技者にとって魅力ある出玉率を搭載できる可能性」などです。特に6.5号機とスマスロでは、大きな出玉の作り方が根本的に異なること、また従来機よりも高設定で高い出玉率の設計も考えられることを強調されていました。
もうひとつの内容「メーカーの職種研究」では、「遊技機開発の体制例(パチスロ演出関連)」として相関関係や細かい概要、開発工程、演出作成手順などを説明いただき勉強になりましたね。
こうした2つの講義が終わって、いよいよパチスロ(スマスロ)の開発体験となりました。用意されていたノートパソコン内には「準備講座シミュレーター」なる表計算が入っています。今回の場合は一例としてAタイプ機1日あたり7000回転のゲーム数として設定1における各フラグの係数を入力することでした。なお、フラグは「ハズレ」「リプレイ」「ブドウ」「チェリー」「BB」「RB」などです。
今回の場合は出玉率を98%以下にしなければならなかったのですが、決められた係数の入力で何とか出玉率をオーバーすることなく完結しました。
また、もうひとつの開発体験として「リール作成」も。20コマのリールを同じように表計算が用意されていたので作成しました。私はただやみくもに感覚だけでリールに絵柄を配置してしまいましたが、これも規則や法律に沿って作成されていることが分かった良い体験になりました。特にパチスロの場合はスベリなどのゲーム性もあるので、数値の大切さを改めて学んだ次第です。
今回2つの開発体験には、同スクールが用意して下さった「PSプランニングテキスト」を抜粋しながら進められました。同テキストは、主に遊技機に必須の法律や規則がまとめられていて、高原学校長も「この場合はここの規則や法律で決められているので」と強調されていましたね。
私にとっては文字通り初めての開発体験でしたが、数値に弱い私は非常に難しいと感じたのが正直なところです。しかし高原学校長からは「パチンコやパチスロが前提として好きであれば、今回体験した開発職は難しい職種とはいえ、どこかで活かせることはできるはずです」とも仰っていただきました。
今回は、同スクールがどのように勉強しているのかも知る貴重な機会にもなりました。本来であれば私もこちらのスクールで学びたかったと思うほどの体験講座でした。今後はもしかしたら、スマパチの講座もあるかもしれません。そうなれば、また受講したいものです。
■プロフィール
拝 二刀(おがみ にとう)
パチンコ歴20年以上のホール従業員。最近は財布事情も厳しく、公休日のパチンコは低貸パチンコのみ。条件が良ければ高速道路を使って片道1時間のホールまで打ちに行くマスクを被った変わり者。さらに、最近オープンした「ゲームセンタータンポポ」に足繁く通っている。