パチンコ・パチスロ新台をホールで実際に遊技して評価する【新台試打レポート】。今回は三洋物産のスマパチ第1弾「e聖闘士星矢 超流星CliMAX349」を打ってきた。
新機能「Cタイム」を搭載し、RUSH終了後や通常時など様々なタイミングからRUSH期待度約20%の「CliMAX CHANCE」が発動する。出玉性能は突入率約52%、トータル継続率約85%、右打ち中の大当りはすべて1500発以上で市場最高峰のスペックを擁している。
今回、調査店舗に選んだパチンコホールには6台が導入されていたが、導入初日の3日夕方は既に2台が空席となっていた。同時導入の「スマスロ北斗の拳」コーナーが約20台の導入で立ち見も出来るほどの盛り上がりとなっていた一方で、パチンココーナーは「ダンバイン2」が10台以上導入されていたが半数近くが空席と主力機も含めて空席が多数出ていた。
「星矢」の空席のうち1台は2万発オーバーを獲得して1回転目のCタイムを終えたタイミングでの空き、もう1台は稼働開始から一度も大当りが発生せず1000回転ほどハマった状態だった。「北斗」側の稼働状況を確認するために訪れた店舗だったが、ある程度時間が経っても「星矢」の空席が埋まらないため試打を行うこととした。
既存スペックからの書き換えであり、演出面の評価は変わらないと思われる。無難な出来ではあるが右も左も特に盛り上がる部分はないというのが筆者の印象だ。右打ち中は告知バランスやファイナルバトルの頻度など全体的に調整不足感があり、適合優先の事情が透けて見える。
Cタイム演出についてもパターンがないのか約20%の期待度に対して大仰であり、「仕置人」の演出発展率約50%で期待度約40%のように段階を分ける必要はあると感じた。また特図1の振分の極端さも厳しく、RUSH突入率約52%だが3000発+RUSHが30%を占めるため、3R大当りとなった時点で絶望感が大きい。Cタイム成功も含んだ突入率のため既存のミドルタイプ以上にRUSHへのハードルがある。
肝心の出玉性能は既存のP機を凌いではいるが極端な差はない。しかしCタイムによるブレ幅が非常に大きい。大当り確率引き下げの差は総量規制の関係からCタイム部分に集約されており、RUSH終了後にCタイムで引き戻せるかどうかが既存スペックとの差そのものになっている。システム的にも打感としても「ダブルアップチャンス」に近く、面白い要素ではあるが危険でもある。
実際に試打時は約7000発獲得からCタイム成功で約1万3000発をさらに獲得と一気に出玉を伸ばしているが、RUSH1セットあたりの平均的な獲得期待値に対して引き戻しの有無で大差が生まれるため、Cタイム成功前提の出玉感にユーザーが慣れてしまうとP機の陳腐化とスペックのさらなる極端化が引き起こされるおそれもある。
現状、「スマパチ」はCタイムを最大の特徴と謳っているが、むしろCタイムを排除して既存スペックよりも突入率を安定させた「海物語」に近いスペックで、持ち玉でストレスなく打ち続けられる機械が必要だったように感じる。「星矢」や今後登場するスマパチは一部ヘビーユーザーには受けるスペックだが新規ユーザー獲得という点ではむしろマイナスイメージも出かねない。スマスロも同様だがライトユーザーが遊びやすいスマート遊技機の登場はまだまだ先になりそう。
評価
出玉性能 | 引き戻しによる爆発力は高い | |
演出 | 既存スペックと差はなく調整不足 | |
独自性 | スマパチ第1弾という話題性のみ | |
追いかけ | 大当り終了後は粘りづらい | |
導入規模 | スマパチが盛り上がる台数ではない | |
総合 |
★★☆☆☆ |
©車田正美・東映アニメーション ©車田正美/集英社・東映アニメーション ©SANYO BUSSAN CO.,LTD.