郊外の大型パチンコ店を視察した後、隣接するショッピングモールを見ると食品売り場以外どこも閑散としている。と、にわかに人声が聞こえて活気ある売り場に出た。リサイクルショップだった。
新しいモノが売れずに余ってくるとダブついた余分なモノが市場に押し出されてくるという図式。そこに取引が生まれネットを介せば立派なマッチングビジネスになる。
不用品であれば売れるが、使い続けるモノは手入れしなければならない。成長しなくなった産業においては儲かるビジネスの最右翼がこのメンテナンス事業だ。市場拡大しないのでメーカーは新商品の開発をしない。縮小市場に新たに参入しようとする企業もいない。
パチンコ業界においても事情は同じ。スマート遊技機が気になる島設備メーカーは新しい島設備を開発するのか。周辺機器はどうか。キャッシュレスをにらみながら紙幣搬送機の開発はすべきなのか、など。
業界内のSNSでは、深夜に店長や主任から機器の不具合や故障修理の緊急対応について「誰か教えてください」という投稿が続いている。買い換えない限り古くなった設備も使い続けなくてはならない。メンテナンスノウハウや経験知が価値を持つ。企業を超えた業界全体の知のデータベースが共有できれば。
※本コラムは「日刊遊技情報」より抜粋