パチンコ経営企業ごとに考察を行っていく【パチンコ経営企業分析】。今回は直近の新台導入評価(※1)において、パチスロの「S」ランクの店舗数が最も多かった「愛知県」について見ていく。
まず、2023年における愛知県の新台導入評価において、パチンコ・パチスロ別に「S」「A」ランク店舗数は下表の通りとなる。
期間 | 「S」ランク店舗数 | 「A」ランク店舗数 | ||
パチンコ | パチスロ | パチンコ | パチスロ | |
2022年8月~2023年1月 | 46 | 22 | 54 | 32 |
2022年9月~2023年2月 | 38 | 23 | 57 | 30 |
2022年10月~2023年3月 | 39 | 22 | 66 | 27 |
2022年11月~2023年4月 | 38 | 18 | 59 | 23 |
2022年12月~2023年5月 | 39 | 23 | 55 | 33 |
このように「S」ランク店舗数の推移を見ていくと、パチンコは2月以降一定なのだが、パチスロは3月をピークに「S」ランク店舗は減少傾向にあることが分かる。
それでは、月次における新台導入台数はどうだろうか。下表に記載していく。
P導入数 | S導入数 | |
1月 | 6,202 | 385 |
2月 | 7,350 | 1,865 |
3月 | 3,829 | 3,325 |
4月 | 4,408 | 6,368 |
5月 | 6,586 | 3,816 |
パチスロを中心に見ていくと、ピークは4月で5月は3月とほぼ同水準だった。一方、1月、2月が少なく、新台導入評価は直近の半年間の実績値を元に算出しているので、この2カ月間の導入台数が少ないことが影響しているのかもしれない。
それでは「S」ランク店舗について見ていく。
直近の新台導入評価において、パチンコ・パチスロともに「S」ランク評価だったのは36店舗。これは15グループの中に含まれているが、そのうち複数店舗を持つのは下表の7グループ。
パチンコ・パチスロ「S」ランク店舗数 | |||
グループ名 | 店舗数 | グループ名 | 店舗数 |
セントラルグループ | 8 | 善都グループ | 6 |
キング観光グループ | 4 | 真城グループ | 3 |
マルハングループ | 3 | 都筑グループ | 2 |
平成観光グループ | 2 |
このように主に「コンコルド」の屋号で営業している「セントラルグループ」を筆頭に、愛知県を中心に店舗展開している地場系のグループでほぼ占められた。
また、グループ別に「S」ランクの店舗数をパチンコ・パチスロ別に見たのが下表となる。
「S」ランク店舗数 | ||||
グループ名 | P | S | 両方 | 計 |
セントラルグループ | 9 | 9 | 8 | 10 |
善都グループ | 6 | 8 | 6 | 8 |
真城グループ | 3 | 6 | 3 | 6 |
キング観光グループ | 4 | 5 | 4 | 5 |
平成観光グループ | 2 | 4 | 2 | 4 |
マルハングループ | 3 | 3 | 3 | 3 |
※同一店舗でパチンコ、パチスロそれぞれ「S」ランクの場合もあるので、合計値と「P」「S」の合算値は異なる場合がある
愛知県内において、「S」ランク店舗が多かったのは上記のグループとなった。
それぞれのグループを見ていくと、最も「S」ランク店舗数が多かった「セントラルグループ」を除くと、パチスロのほうが「S」ランク店舗数が多いところがほとんであった。
パチスロにおいて、1月、2月の新台導入台数は少なかったものの、3月以降は3000台以上を導入している「愛知県」。また、その中心は地場系企業であるので、今後も熾烈な競争が続いていくのだろう。
※1:新台導入評価
直近半年間における新台の導入台数・導入機種数・新台導入回転率・1機種当たりの最多台数をそれぞれ順位化し、その合計得点を元にS~Eの6段階で評価したもの
なお、S:全国500位以内、A:全国1000位以内、B:全国2500位以内となっている。