新台導入状況、機種構成から経営企業ごとに考察を行っていく【パチンコ経営企業分析】。今回対象とするのは、パチスロにおいてグループ全体の資産価値額(※1)が上位である「チアエンタープライズグループ(※2)」。
「チアエンタープライズグループ」は大分県にて「サミット」の屋号で6店舗運営。グループ内で最も設置台数が多い店舗は、『フォーティー・サミット』の847台であるように、1000台以上の巨艦店舗はなく、1店舗あたりの平均設置台数は682台となる。
パチンコ・パチスロ・貸玉別の設置構成を見ていくと、通常パチンコ:36.5%(平均33.3%)、低貸パチンコ:31.0%(平均28.0%、通常パチスロ:26.2%(平均31.3%)、低貸パチスロ:6.3%(平均7.4%)とパチンコの比率が若干高くなっている。
しかしながら、同グループはパチスロの資産価値額が非常に高いのが特徴的であり、6月末時点の集計では5店舗以上の全グループの中で3番目に高い値であった。
そんな「チアエンタープライズグループ」2023年の資産価値額は下表の通りとなる。
パチンコ | パチスロ | |||
チア | 全体 | チア | 全体 | |
1月 | 192,918 | 202,124 | 775,708 | 421,307 |
2月 | 166,128 | 182,630 | 751,571 | 419,814 |
3月 | 161,824 | 183,046 | 794,503 | 434,449 |
4月 | 135,511 | 153,280 | 790,334 | 465,101 |
5月 | 148,910 | 154,574 | 884,629 | 456,986 |
6月 | 157,762 | 163,440 | 818,211 | 430,675 |
このようにパチンコの資産価値額が平均値を下回っていたのだが、パチスロにおいては平均額をはるかに上回っていた。
ただし、パチンコに関しては、通常貸玉と低貸玉の比率が「54.1:45.9」とそれほど変わらないことが資産価値額がそれほど高くない要因であるので、パチンコに対して全く注力していないということではないだろう。
店舗別に見ても、パチスロの資産価値額は旗艦店舗だと思われる『フォーティ・サミット』が100万円を超えていたのを筆頭に全店舗が平均値を超えていた。
一方、新台(※3)に関してはそこまで積極的に導入しているとは言えず、直近の新台導入評価(※4)において、「S」ランク店舗は『フォーティ・サミット』1店舗にとどまっていた。
グループ内で最大設置台数の『フォーティ・サミット』を中心としており、パチスロの資産価値額が非常に高いのが特徴的であるように、選択と集中をしっかりと行っているのが「チアエンタープライズグループ」であると言えよう。
※1:資産価値額
各機種における中古取引額の平均値を足していき、店舗の平均額を算出したもの
店舗における機種の価値を判断する指標となる
※2:閲覧有効期限 7/15まで
※3:新台は発売から4週以内に導入されたもののみとする
※4:新台導入評価
直近半年間における新台の導入台数・導入機種数・新台導入回転率・1機種当たりの最多台数をそれぞれ順位化し、その合計得点を元にS~Eの6段階で評価したもの
なお、S:全国500位以内、A:全国1000位以内、B:全国2500位以内となっている。