2022年11月より導入が始まった「スマートパチスロ(スマスロ)」。当初は機種数が少なかったこともあって普及は進んでいなかったが、2023年4月に登場した大ヒット機「スマスロ北斗の拳」を皮切りに導入が加速。現在では、導入店舗比率は90%を超えており、スマスロを導入していないパチンコ店を見つけるのが難しい状況となっている。
一方で、スマスロ未導入のパチンコホールも存在する。その理由の一つとして、導入コストの高さが挙げられる。導入したいがコストの問題で導入できない店舗もある中で、あえて導入しないパチンコホールも存在している。茨城県土浦市にて営業している『パワースロットステージアポロ』はその一例だ。
同店はJR「神立駅」から西に約2キロの距離に位置する、総設置台数206台のスロット専門店。周辺には『マルハン土浦店』や『MGM神立店』などの大手チェーンの運営ホールも立ち並ぶエリアにある。
そんな同店のXアカウントが今月10日に投稿したポストが瞬く間に話題を集めた。
✍️大切なお客様へ✍️ pic.twitter.com/5Rcw95Xl8y
— APOLLO 神立店 (@pssAPOLLO) September 10, 2024
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大切なお客様へ
当店は、スマスロを導入しない代わりに
メダル機を大事に大事に使っていきます。
スマスロの導入には、数千万円の費用が
かかってしまい、全国的にお客様の負担が
増えているデータが出ております。
当店は、その費用を業者に支払うのではなく、
お客様に還元していきたいという
想いをもっております。
これからも更に、邁進してまいりますので
ご家族、知人友人を誘って、
是非ご来店下さいませ。
また、スマスロではなく、メダル機で
導入してほしい機種がございましたら、
私達にお声がけ下さいませ。
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18時頃に投稿されたこのポストは1日足らずで約50万のインプレッション、300を超えるリポストを記録(9月11日13時時点)。軽くバズる状況となっている。ポストには「こういうお店に行きたい!地元に欲しい」「ワクワクする営業、頑張って下さい!」と肯定的なコメントが多数寄せられ、コストを抑えて還元していきたいという方針が、多くのユーザーの共感を得ているようだ。
しかし、同店のようにスマスロなしでホール運営を行っていくには課題もある。現在、メーカーが新たに発売するスロットの多くはスマスロが占めており、メダル機(S機)の新機種は減少傾向にある。今年1月から8月までに導入された55機種のうち、メダル機はわずか18機種。しかも、そのほとんどがノーマルタイプと選択肢は限られている。
『パワースロットステージアポロ』ではその中から厳選した新機種や、実績のある中古機を中心に新台入替を行っているようだが、この状況もいつまで続くかわからない。メーカーがスマスロのみを開発・販売する時代が来るのは時間の問題と思われる。ただ、その頃にはスマスロの導入コストが今よりも下がっている可能性はあるが。
とはいえコストを抑えてユーザーに還元するという経営方針は他のパチンコホールにも参考にしていただきたいもの。このところ新台の稼働が振るわなかったにもかかわらず、業績は維持できているというデータも出ている。ユーザーに還元するためにも遊技機にかけるコストを見直す時が来ているのではないだろうか。