東京都荒川区にて営業してきたパチンコホール『ウインベル・イースト・パチンコ』の店長ら3名が賞品買取違反の疑いで書類送検されたと一部のメディアが報じている。
同店は京成本線「町屋駅」から徒歩3分ほどの場所に店舗を構えており、総設置台数は271台のパチンコ専門店だ。近隣にはグループ店舗となる『ウインベル・イースト・スロット』も存在し、十分な集客力を見せてきたホールと評してよいだろう。
ちなみに運営母体となる(株)ピーアンドジーでは同屋号にて他にも2店舗を営業中で、経営ホール数は計4店舗であった。
報道によると「今年4月から6月にかけて顧客に提供した金の入った景品およそ1236万円分を直接買い取った疑い」が持たれているという。「直接買い取った方が手っ取り早かった」などと容疑を認めているとも。
これはいわゆる「三店方式」を無視した「自家買い」と呼ばれる行為で、先日10月末頃には新潟県を代表するパチンコチェーン「第一実業(ダムズ)」の社長らが逮捕されるというショッキングなニュースもあったばかり。故に事例としては残念ながらけっして珍しい話とも言えないところ。
ただし、こうしたケースの大半で(裏どり出来た分として発表される)金額数値は数万円など微々たるものとなる場合が多い。今回のように1000万円以上の金額で報道されたことは私の知る限り初めてだ。
なお、「三店方式」という言葉を聞き慣れない人向けに一応説明しておきたい。
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①パチンコホールが顧客の出玉を直接換金することは違法。そのため顧客は出玉を一度「買取り専用の特殊な賞品」に交換するもの。
②それを景品交換所に持っていき買い取ってもらうのだが、ここで重要なのは『パチンコホールと景品交換所が同じ経営母体であってはならない』という点である。
③そして景品交換所に持ち込まれたは賞品は、更に第三者である景品問屋が買い上げる。(パチンコホールは景品問屋から賞品を仕入れる。)これが「三店方式」である。
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つまり「パチンコ店」「景品交換所」「問屋」の3店はそれぞれが独立していなければならず、当然ながら各取引にはそれぞれ手数料が発生する。これはパチンコホールを運営していく上で、避けては通れない必要経費の一つと称せるだろう。
むろん大半のパチンコホールがこうしたルールを遵守しているものだ。ただし業績の悪化とともに、手数料の支払い自体が大きな負担となっている店舗も数多くあるのが実情か。
こうした背景の元で「ホールと景品交換所が実質的には同一法人により営業されているケース」や「景品交換所に持ち込まれた賞品を(問屋を介さず)ホールが直接買い取るケース」なども少なからず残っていて、これらが自家買いと呼ばれる行為である。
ホールの閉店ラッシュが続いている裏側で、こうした「自家買い」案件が増えてくることもパチンコ業界における懸念点の一つといえよう。
別にええやん
三点方式の方が胡散臭い
法令遵守という当たり前のことができないパチンコ業界
さらなる規制強化で締め付ける以外解決策はないだろう