クリーク・アンド・リバー社は3日、東京都千代田区の本社ビルにおいて、「遊技塾セミナー」を開催。5回目となる今回は、「設定付きパチンコ、6号機など最新トレンドを徹底解剖」と題し、遊技産業研究所の鈴木政博代表取締役と、新機種情報室の鷲足光平主任が、市場に導入された新規則機のポイントを講演した。
鈴木代表取締役は、パチンコの設定について、「確率変動は10倍までという規定は同じだが、低確率と高確率の倍率が“設定ごとに異なるものでないこと”という規定があるため、低設定が変わると高確率も変わる。低確率が違うことで時短引戻し率は変化するが、高確率も変わるため、次回ループ機は影響がないものの、ST機や転落抽選機は設定ごとに確変継続率も異なる」と解説した上で、「設定ごとの出玉率は、一種二種タイプが最もブレが少なく、次にループ機、そしてSTや転落機はブレが大きくなる」と語った。
また、導入済み新基準機に関しては、そのほぼ全てが甘デジタイプ・設定付きである背景として、4時間当たらないことがほとんどないためベース33.33以上をクリアすれば適合しやすい点、既に導入されている機種の甘デジ使用だと開発期間が短く済む点などを挙げ、現状としては設定⑥のみプレミアム設定になっていたり、設定判別要素を搭載したことで若年層に波及していることなどの特徴を説明。そして、甘デジ以外の適合率の低さの原因として、追加された「4時間試射試験」と「1時間試験の上限強化」がネックになっていると指摘した。
また今後の方向性として、確率帯が異なるタイプを「同一単機種」で使い回せる「1粒で3度おいしい」機械の可能性に言及。仕様として「大当たり出玉がほとんどない、小当たりRUSHのみで出玉を増やすループ機なら、設定ごとの出玉率があまり変わらない」点に注目し、設定①を319分の1、設定②を199分の1、設定③を99分の1とすることで、ホールは設置シマに応じて設定を変更すれば、コストが削減できると説明。ただし「現在の確変率65%では辛すぎる仕様になるため、今後、確変率75%なども可能になるよう内規が緩和されれば、という条件が付く」ことも合わせて述べ、新しい時代に適した新たなスペックへの魅力を語った。
続いて、鷲足主任は予想される6号機AT機について、純増を2~3枚、4~5枚、6枚とそれぞれ設計した場合のゲーム性やスランプグラフを解説。また、純増5.0枚のAT機を作る場合は、高純増を維持しつつも通常時のベースを落とす工夫が必要だとし、「出玉が減るボーナス中を通常時にする様な作り」が今回新たな自主的処置の対象となったため、その他で落とすための対策として、①目押しによりボーナスの入賞を回避する②2枚掛け用のボーナスを搭載する③4thリールを活用して押し順を増やす④目押しで小役を揃えさせるなど、4号機や5号機に搭載されていた性能に置き換えながら説明した。
また、天井機能については「有利区間の滞在比率の制限が撤廃されたことで、6号機で搭載することは可能となったが、差枚2400まで到達しない設計も考えられる」と語り、純増3.0枚のAT機で仮にATが発動する天井到達ゲーム数を700と1000で設計した場合を述べながら、天井と出玉のバランスを模索しているメーカーが多いのではと話した。
最後に、「出玉性能の観点では、短期的にみると機種ごとに異なるものの、長期的にみると射幸性に大きな差は生まれないと考えられる。純増枚数と通常時ベースのバランス、そしてそれを実現するための対応策は各メーカー模索の状況が続くが、その中には必ず市場に受け入れられるヒット機種が登場するだろう」とまとめた。
[2018年10月17日・日刊遊技情報]