東京都遊協は1月30日、東京都文京区の東京ドームホテルにおいて、定例理事会及び新年賀詞交歓会を開いた。
冒頭、阿部恭久理事長は新年にあたり「昨年は、依存症問題への対応や高射幸性回胴式遊技機の設置比率自粛への対応に業界をあげて取り組んだ一年。設置比率15%の自主規制は延期を決議したが、原点回帰のためには避けては通れない施策であるため引き続き協力を頂きたい」と述べたほか、依存問題対策における安心パチンコ・パチスロアドバイザーの運用について「東京都内は2700名を超えるアドバイザーが誕生しているが、未だ受講者のいない店舗が数店舗あり、カバー率は100%に至っていない」とし、今後も継続して講習会を実施していく考えを示した。さらに、出玉系イベントについても言及。「必ずしも法令に触れない事柄であっても、社会に与える影響を考慮した慎重な対応が求められる。利益追求のための過度な宣伝広告等は依存問題への対応に逆行するばかりか、社会からの反感が強い部分でもある。常に社会の一員としての視点に立ち、秩序ある健全営業に努めてほしい」と注意を促した。
理事会の報告事項では、依存問題への対応について報告。行政から業界に対して、基本計画案に盛り込む追加の依存問題対策の検討が求められており、現在21世紀会において適宜対応を図っている状況としながら、学識経験者や法律家、報道関係者など外部有識者6名との「パチンコ・パチスロ産業依存対策有識者会議」の設置に加え、5月からの実施を目指す「第三者による依存問題対策の実施状況調査」、「ギャンブル等依存症問題啓発週間」における業界主催の講演会など内容を報告した。
また、受動喫煙防止関係法令の動向については、全面禁煙・喫煙専用室の設置・指定たばこ専用喫煙室の設置・喫煙専用室+指定たばこ専用喫煙室の設置といった4つのパターンを図式で解説しながら、2018年12月21日のパブリックコメント募集開始に併せて厚生労働省が公示した健康増進法施工令の一部を改正する政令案等をJTの担当者が説明した。
理事会に先駆け開かれた税務研修会では、四谷税務署の小林正樹署長が登壇。東京国税局が公表した2017年度法人税の調査実績については、不正発見の割合が高い10業種及び不正一件当たりの不正所得金額の大きな10業種いずれにおいても、パチンコ業はランク外であったことに対し、「これは長年に渡る啓蒙活動と、意識改革の成果である。しかし全国ベースで見ると、パチンコ業は不正発見の割合が高い10業種の第7位、不正一件当たりの不正所得金額の大きな10業種では第2位にランクインするという残念な結果となっている。適正申告の継続と、この取り組みを全国レベルのものにするよう適正な納税をお願いしたい」と語った。
[2019年2月5日・日刊遊技情報]