余暇環境整備推進協議会(余暇進)は11月12日、東京都港区のホテルインターコンチネンタル東京ベイにて2019年度秋季セミナーを開催した。
開会の挨拶に立った笠井聰夫会長は「マンモス産業、そして大衆娯楽の殿堂である遊技産業がこの厳しい環境をどう乗り越え、どう立ち行こうとしているのか、世間が大きな関心を持って注目している。ラグビーワールドカップでは『ワンチーム』という至言が残されたが、昔から天の利、地の利よりも人の和こそ勝利に連なると言われている。本日のセミナーがメーカー、販社、ホールが文字通り垣根を超えて業界の総意形成と結束の一助になることを願ってやまない」と述べた。
セミナーは2部構成で進行。第1部では、日本遊技機工業組合(日工組)の筒井公久理事長、日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)の兼次民喜理事長、全国遊技機商業協同組合連合会(全商協)の林和宏会長、回胴式遊技機商業協同組合(回胴遊商)の大饗裕記理事長という遊技機の開発製造とその販売・流通を担う4団体の代表者を招き、「[全機連4首脳に聞く]令和の幕開けと産業の分岐点 新時代へのヒントを読み解く」と題したパネルディスカッションを実施。新機種の販売状況から中古遊技機の流通量の推移、パチンコとパチスロで新規則機の普及率、新規則機の普及と密接に関係するゲーム性の向上に関する日工組・日電協の努力、管理遊技機・メダルレス遊技機のリリースに向けた進捗状況といった業界関係者の関心の高いテーマについて活発な発言と意見交換が行われた。
また、旧規則機の廃棄処理問題についての意見交換の中で、「設置期限までの残り14カ月で均等に総入替が行われたと仮定すると、月間平均で約24万台の遊技機が排出されることとなり、相当の苦労を要することが予想されている」として、パチンコホールや遊技機販売業者に対して、旧規則機を適宜排出するよう呼びかけた。
第2部では、全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)の阿部恭久理事長が「遊技産業の今後に向けて」を演題に講演。「業界が一丸となった行動を取ることが将来に向けた方向性を明確にできるものと考えている」と述べ、業界の現状を好転させるためには業界全体が一丸となることが必要だと訴えるとともに、全日遊連における議論の内容や依存対策に向けた取り組みについて話した。
全日遊連が運営するホームページ「KENZEN777」に寄せられた情報のうち、パチンコ・パチスロ遊技に対する要望や意見を参照すると、過去と比べて遊びづらい状況にあることを指摘するものが多いといい、「多くの遊技客が遊びづらくなったと感じている賞品交換機会の低下を救い、遊技客・店舗双方のバランスを整えることが肝要」との考えを示した。
このほか、業界全体の懸案事項となっている依存問題への取り組みに関しては「遊技産業として依存問題の研究を進めつつ、より良い依存対策を模索して行きたい」とし、海外のカジノで実践されている依存防止の取り組み状況やその考え方について視察等を通じて情報の収集を行いつつ、諸外国と日本国内の対策との比較をはじめていることを紹介した。
[2019年12月9日・情報島]