大阪府遊技業協同組合(大遊協)は12日、大阪市天王寺区のシェラトン都ホテル大阪において2019年度の歳末防犯懇談会ならびに定例理事会を開催した。
懇談会の来賓には、大阪府警察本部生活安全部の高木久部長はじめ、同保安課より多久竜一課長と森本清孝課長補佐が列席。年末年始の防犯意識高揚に向け、高木部長が講話を行った。
府内の犯罪情勢について高木部長は、今年の刑法犯認知件数は当日時点で約7万1000件、前年比で9100件(11.3%)の減少となり、治安の回復が見られると説明。特に全国でもワースト上位を記録していたひったくりの件数は、大遊協が秋の全国地域安全運動に合わせて行う安心・安全まちづくりキャンペーンでのひったくり防止カバー配布等、官民一体となった取り組みが功を奏し、ピーク時の1万件から昨年は400件、今年に入ってからは240件にまで減少したとして評価した。一方で、特殊詐欺においては毎月100件以上、今年だけでも1719件発生。被害額は22億円にのぼるといい、架空請求や親族を語った示談金、オレオレ詐欺などへの注意を呼びかけるなどした。
業界の健全化については依存防止対策について要請。カジノを核とするIR誘致が進められる中で、依存防止対策は避けては通れない課題だとし、大衆娯楽を担うパチンコ業界が一致団結して諸施策を推進する事に期待を寄せた。
講話を受けて平川容志理事長は、自主防犯の強化に向けた一層の取り組みを約束するとともに、依存防止対策については安心パチンコ・パチスロアドバイザーがこれまでのべ2335名が受講し、1店舗平均3名のアドバイザーの配置に至ったと成果を報告。引き続き自己申告・家族申告プログラム等の各種取り組みの推進・強化を図るとともに、行政と協議しながら新たな取り組みも積極的に行っていきたいとする考えを述べた。
また、平川理事長は「来年は新規則機への入替や改正健康増進法の全面施行などによって経営環境が大きく変化する年となる。この様な時だからこそ、組合員が一致団結して、社会ニーズに沿った取り組みを推進するとともに、遊技人口回復を図るべく、身近で手軽な大衆娯楽としての環境を整えていきましょう」と団結を呼びかけ、各種施策への協力を求めた。
懇談会後の定例理事会で、経営対策委員会が店舗管理者が概ね月に1回の頻度で記入し保管する「依存問題対策実施確認シート」について報告。従業員を含めた周知を要請するとともに、遊技産業健全化推進機構による依存防止対策調査実施の際、必要に応じて調査員に示せるよう全従業員が閲覧しやすい場所に同シートを常置するよう求めた。
[2019年12月17日・情報島]