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【特集】編集部が選ぶ、2019年パチンコ業界10大ニュース

『令和』という新たな時代の始まりとなった2019年が終わろうとしている。パチンコ業界においても様々な出来事があった。編集部では、そんな2019年を「パチンコ業界10大ニュース」とともに振り返っていきたい。

新規則機移行へ未だ高い壁

本年の「10大ニュース」1位には高射幸性パチスロの大量撤去を選んだ。一部地域を除いてパチスロ主要機種が年末に認定切れとなり迎える繁忙期。逆に考えれば6号機の時代に向けたスタートダッシュでもある大きなターニングポイントであると言える。様々な事情から結果としては完璧に至らなかったものの、メーカー・ホール・ユーザー誰もがこの年末を見据えて動いた1年でもあった。

認定切れ・検定切れ、加えて設置猶予が認められていた一部みなし機についても年内には撤去と減少が進む旧規則機に対して、新規則施行から約2年の時が経っても未だ適合率は改善に至らない。特にパチスロは適合試験での苦戦が続き、本来であれば大量の話題機が投入されると思われた12月期も新台はわずか8機種のみ。撤去対象の旧規則機の台数には圧倒的に足らず、安価な中古機や倉庫に保管していた5.5号機との入替が目立ち、新規則への移行が進んでいるという印象は弱い。

昨年は出品機種がほとんど用意できずに中止となった「パチスロサミット」も本年は改めて開催されたが展示されたのは導入済みを含む20機種弱に留まるなど、適合率が上昇しない限り問題は改善しない。加えて適合率低下によるメーカーの試験費用増加も問題であり、新規則施行以降で数十億円の負担が加わりながらも新台が売れず、新台を出すだけ損になる悪循環も発生している。

一方で明るい話題もあり、パチスロでは本年3月に大都より発売された「Re:ゼロから始める異世界生活」が大ヒットを記録。販売台数は7万台超と5号機時代と比較してもそん色ない。続くサミーより11月に発売された「パチスロ北斗の拳 天昇」も5万台超が導入されるなど新規則移行2年目でようやく芽が出始めた。パチンコにおいても本年初頭には継続率65%内規の撤廃が施行され、京楽より7月に発売された「ぱちんこ 新・必殺仕置人」が4万台超の導入となり、夏の繁忙期を牽引するなど徐々に新規則機への移行は進行している。

さらに12月にはパチンコ・パチスロにおいてゲーム性に大きな影響を与える解釈基準の変更が了承されており、パチスロ6.1号機、そしてパチンコでは天井時短や複数のリミットを搭載した新基準機が登場する見込みとなっている。また新規則によって可能となった管理遊技機やメダルレス遊技機についても開発が進められており、各メーカー団体によれば管理遊技機が2020年11月頃、メダルレス遊技機は21年2月のリリースを目標としている。

「パチスロサミット2019in秋葉原」の様子

加速するスクラップ&ビルド

全日遊連加盟店舗数がついに9000軒を切るなど、規則改正による機械の入替や稼働低下、消費税増税、来年4月に控える改正健康増進法の施行による店舗の完全禁煙化等の負担増によって閉店・売却を行う店舗が増加の一途を辿っている。一方で今夏、アンダーツリーグループは運営店舗数が150店舗を超えて業界3位に浮上。本年7月に総台数1817台の超巨艦店『グランキコーナ堺店』をオープンさせる急成長を遂げている。

また近年減少していたグランドオープンも今冬は高射幸性機撤去後という事情も相まってか急増。多くはM&Aによって取得した店舗の屋号変更だが、転換期である2021年を超えて残る企業、消える企業の明暗がくっきりとしつつある。業界団体においても、同友会とPCSAの併合が来年に予定されており、荒波を乗り越えるためのさらなる団結が求められている。

本年には参院選における業界候補の擁立によって多数の業界団体が一丸となったものの、結果としては9万票弱で当選には4万票近く足らずに落選。急な要請に対する結果として上々と見る意見もあれば落ちればそれまでという声もある。初の試みとはいえ業界全体の団結力を数値で見れた機会を今後に生かしてほしい。

山積する課題、変わらず

2020年に考えられる問題としては東京五輪による影響、特に風営法関連施設への取り締り強化がある。さらに依存症対策計画についても行政がATM等の撤去を推し進めているように機構の調査をもとにした数値からさらなる改善を要請される可能性は高い。そして肝心の機械。21年の完全移行に向けた大量入替も控える。来年が総決算の場であり、業界の行く末を左右する転換期。船出の年と出来るだろうか。

■編集部が選ぶ、2019年パチンコ業界10大ニュース

1位 主要高射幸性パチスロが大量撤去
~認定切れ迎えるも6号機適合苦戦で代替機不足
2位 「Re:ゼロから始める異世界生活」が大ヒット
~販売台数7万台超、設置シェアもトップに
3位 全日遊連加盟店舗数、9000軒割れ
~わずか2年で1000店舗減
4位 アンダーツリー、150店舗超え業界3位に
~超巨艦店『グランキコーナ堺店』がグランドオープン
5位 参院選で業界候補擁立も落選
~業界団結も得票数9万弱
6位 相次ぐ台風災禍
~台風19号はじめ全国各地で被害
7位 消費税が増税
~パチスロ46枚貸しへのシフト進む
8位 初の依存症対策啓発週間
9位 パチンコ・パチスロで解釈基準を変更
10位 改正健康増進法施行を控え、禁煙化するホールが増加

※本稿は2019年12月24日付け「日刊遊技情報」に掲載した記事をweb用に編集したものを掲載しております。

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