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全日遊連・全国理事会における警察庁保安課の小堀課長による行政講話(全文掲載)

全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)は17日、東京都港区の第一ホテル東京において全国理事会を開催。理事会の席上、警察庁生活安全局保安課の小堀龍一郎課長が行政講話を行った。

このほど保安課長に着任した小堀課長は、着任の挨拶とともに「依然として、ぱちんこへの依存問題のほか、遊技機の不正改造事犯、賞品買取事犯、違法な広告宣伝等が後を絶たず、健全化を阻害する要因がいまだ多く存在することも事実であり、また、各事業者による法令遵守の徹底が強く求められているといえます」と改めて法令遵守の徹底を要請。さらに講話では、業界の健全化を推進する上で特に必要であると考えていることとして、「ぱちんこへの依存防止対策について」「射幸性の抑制に向けた取組について」「遊技機の不正改造事犯等の絶無について」「遊技機の流通における業務の健全化について」「ぱちんこ営業の賞品に関する問題について」「広告・宣伝等の健全化の徹底について」の6項目についてそれぞれ見解を示し、適正な運用を求めた。

ぱちんこへの依存防止対策については、昨年12月に制定・公表した「パチンコ依存問題対策基本要綱」及び「パチンコ・パチスロ産業依存問題対策要綱」の要綱を実施するために必要な実施規程の整備に取り組むよう求めた。

以下、講話の全文を掲載する。

※ ※ ※

ただいま御紹介にあずかりました警察庁保安課長の小堀でございます。

本日、着任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

皆様方には、平素から警察行政の各般にわたりまして、深い御理解と御協力を賜っているところであり、この場をお借りして御礼申し上げます。

ぱちんこ業界の皆様方におかれましては、東日本大震災や熊本地震の発生以来、継続して取り組まれている復興支援活動をはじめ、昨年は台風15号や19号等の被災地支援活動に取り組まれたと承知しています。加えて、低炭素社会実行計画に基づく節電・省エネルギー対策等の社会貢献活動にも積極的に取り組まれていることに対しましても、改めて敬意を表する次第であり、継続した取組をお願いします。

さて、ぱちんこは、我が国の代表的な娯楽として親しまれておりますが、依然として、ぱちんこへの依存問題のほか、遊技機の不正改造事犯、賞品買取事犯、違法な広告宣伝等が後を絶たず、健全化を阻害する要因がいまだ多く存在することも事実であり、また、各事業者による法令遵守の徹底が強く求められているといえます。

貴連合会を始め、業界の皆様におかれましては、業界が置かれている厳しい現状について危機意識を共有していただき、適切かつ着実に取組を進めていただきたいと思います。

さて、本日はこのような場をいただきましたので、業界の健全化を推進する上で特に必要であると考えていることについて、何点かお話をさせていただきます。

ぱちんこへの依存防止対策について

最初に、ぱちんこへの依存防止対策についてお話しします。

まず、昨年4月に閣議決定された基本計画においては、ぱちんこ業界が、ぱちんこへの依存防止対策に係る実施規程として「要綱」を制定・公表するとされているところ、昨年12月に「パチンコ依存問題対策基本要綱」及び「パチンコ・パチスロ産業依存問題対策要綱」が制定・公表されたものと承知しております。貴連合会はこれらの要綱の取りまとめに尽力されたものとも承知しておりますが、引き続き、これらの要綱を実施するために必要な実施規程の整備に取り組んでいただきたいと思います。

この点、広告・宣伝については、基本計画において、ぱちんこ業界が、ぱちんこへの依存問題の発生の抑止に資するものとなるよう、本年度中に全国的な指針を策定し公表することとされています。加えて、同指針には、注意喚起標語の一定の大きさや時間の確保等を盛り込むことを検討することとされているところ、広告・宣伝は、国民の目に広く触れる性質のものであるからこそ、その広告・宣伝に係る依存防止対策が適切にとられているかという点については、とりわけ注目されやすいものであると思います。したがいまして、その点を十分認識していただき、取組に遺漏のないようにお願いします。

また、18歳未満の者の営業所への立ち入らせについても 基本計画に基づき、本年度中に、18歳未満の可能性があると認められる者に対し身分証明書による
年齢確認を原則として実施する方法について実施規程として策定・公表することとされているところです。昨年、貴連合会が組合員に対して実施された「依存対策実施状況調査」においては、18歳未満の可能性がある者に対する身分証明書による年齢確認について既に99%以上の店舗で実施しているという結果であったと、承知しているところ、改めて、取組に遺漏のないようにお願いします。

次に、自己申告・家族申告プログラムについては、昨年12月末現在で約3,600店舗が導入していると承知しております。しかしながら、同プログラムの実効性を担保するためには、導入店舗数をより一層拡大することが重要です。既に一部のホール経営企業においては、全店舗へ同プログラムを導入するなど、導入店舗数拡大の動きは進んできているものと承知しておりますが、同プログラムの導入の有無が各営業所における依存防止対策への取組姿勢を判断するメルクマールの一つとなり得ることを認識し、貴連合会におかれましては、同プログラムの更なる普及を図っていただきたいと思います。加えて、本年度中に開始することとされている、本人の同意のない家族申告による入店制限の導入及び自己申告・家族申告プログラムの導入店舗のウェブサイトへの掲載についても、確実な実施をお願いいたします。なお、本プログラムの運用に当たり、申告対象者の把握を容易にする取組として、顔認証システムの活用に係るモデル事業を行っていただいている大手ホール経営企業もあるものと承知しており、高く評価したいと思います。こうした先進的な取組についても他の事業者に広がることを期待しています。

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