トータル・ノウ・コネクションズ(TKC)は21日、大阪市中央区のなんば御堂筋ホールにおいてプロフェッショナルセミナーを開催。約50名のホール関係者が集まった。
本セミナーは「『2020年の課題』を解決する」をメインテーマとし、TKCの髙橋正人代表に加えて、ビヨンドクリエイションの西村光史社長、遊技産業未来研究所の島田雄一郎副社長、リスペクトマインドの武内臣介社長、シー・エフ・ワイの梶川弘徳社長、エコフレンドリーの今井大作社長によるパネルディスカッション形式で進行。「旧規則機撤去と新規則機導入の入替戦略」「P・S新内規スペックの概要と、その可能性」「4月からの全面禁煙化への対応」「集客と稼働に連動する広告戦術」「2020年の裏課題・遊技機の廃棄リサイクル問題」といったホール関係者の関心の高い5つのテーマについて、今後どのように対応していくべきなのか各分野のプロフェッショナルがそれぞれの視点からアドバイスを行った。
遊技機の運用を専門とする髙橋氏は今年4月のリリースが見込まれているパチンコの新内規仕様を評価する一方で、規定回転数到達で発動する時短「遊タイム」について「一部の人たちしか恩恵を受けれない」と指摘。そのうえで「前日、天井近くでやめられた台を目当てに朝から来店する客は増えるかも知れない。ただ、これをやめさせるためにリセットすると、せこい店だと思われてしまう」と、運用を誤ると店の評価を下げるなどのリスクがあるとして、大手ホールがどのように運用するのかを見てから判断しても遅くはないとの考えを述べた。
パチンコホールの全面禁煙化については、武内社長が「地域貢献の視点として、街中で気軽にタバコを吸える場所としてパチンコホールがあるということを訴求すれば、休眠ユーザーを含めた新規ユーザーの取り込みにつながるのでは」と述べたほか、禁煙化はタバコを吸う人にとって環境の悪化だとして、遊技する・しない関係なく喫煙者を優遇した取り組みの実施を提案。その一例として、遊技目的ではなくても利用できる豪華な喫煙ルームの設置や、紙巻きタバコに比べて吸える場所が多い加熱式タバコの利用者の増加が見込まれることを考慮し、加熱式タバコのカードリッジの品揃えを充実させるといった意見が出された。
「遊技機の廃棄リサイクル問題」についての議論の中で、エコフレンドリーの今井社長は「リサイクル処理はメーカーからの依頼が最優先。ここでパンクしてしまうと、ホールからの引き取り依頼は受けることができなくなり、ホールはお金を払って廃棄台を保管することになる」と述べ、不要な負担を増やさないためにも、メーカーの下取り・買取を有効活用して順次廃棄台を減らしていくべきだとアドバイスした。
また、大阪の遊技機販売業者である加藤商会がセミナー会場の一画にブースを設け、新製品「パチネージ&スロネージ」の展示を行った。
「パチネージ&スロネージ」は、遊技機と同じサイズに設計されたアンドロイドOS搭載のタッチ式大型液晶パネルで、旧規則機の撤去や減台によってうまれる島やスペースに設置し、告知スペースなどとして有効活用するために同社が独自に開発。液晶に表示する画像や動画は任意に設定でき、遊技機の撤去・減台により暗くなった島を華やかに演出することも可能と、TPOに合わせて様々な活用ができる製品となっている。低コストで設置できる点や取り外したあとも同梱の壁掛け用フレームを使うことで壁掛け式のサイネージとして再利用できる点も大きな特徴となっており、セミナーに参加した多くのホール関係者が興味を示していた。