東京都は30日午後8時から都庁で新型コロナウイルス感染症に関する緊急記者会見を行った。
小池百合子都知事は「今が正に感染拡大を抑えられるかどうかの重大な局面」だとしたうえで、感染経路が不明の方が増えている特徴を説明。感染経路が不明な症例のうち「夜間から早朝にかけて営業しているバー、バイトクラブ、酒場など、接客を伴う飲食業の場で感染したと疑われるという事例が多発していることが明らかになったと報告があった。こうした場は感染のリスクが高いと言われている『3つの密』がより濃厚なかたちで重なる」と述べ、若者にはカラオケ、ライブハウス、中高年にはバーやナイトクラブなど、接待を伴う飲食店などに行くことを当面の間、自粛するよう求めた。
その後の質疑応答で記者の一人が「特定業種に関連して、遊技をさせるような『ぱちんこ』だったり、『まあじゃん』だったり、あるいは『性風俗店』等に関して、感染が疑われる事例は多くは確認されていないのか」と質問。これに対し、同席した厚生労働省対策本部クラスター対策班で国内の感染状況の分析に当たっている西浦博北海道大教授(理論疫学)が「曝露が疑われる場所に関して、パチンコ店だったり、雀荘というものは、今の時点では報告がない。性風俗に関しても同様で、東京都においては事例がないが、他の地方においては、チラホラと情報を受けている。今回報告した業種に関しては、風営法の中で1号といわれる業種、資料の中でお示ししたような深夜にわたる接待飲食業に相当する所に集積しているのが特徴だ」と答えた。
記者会見の様子は各メディアがYouTubeなどで配信。その中の一つである毎日新聞の「『カラオケ、ライブハウス、バー、ナイトクラブ控えて』小池都知事 集団感染の恐れ」と題した動画のコメント欄には、「パチンコ屋ほど、危ない所はないと思う。一切触れない所が、政界の闇を感じる」「パチンコ屋だけのけ者にされているので大繁盛してますよ」「パチンコはセーフな理由を建前でも教えてほしいわ」「東京のパチンコ店に朝から90人くらい並んでる光景をTwitterで見たけど、パチンコに対しては指摘しないんだな」など、ただのパチンコバッシングともとれる内容のコメントが数多く寄せられており、パチンコ店が人々の不満のはけ口になっていることがうかがえる。
現状、パチンコ店で感染が拡大したケースはないことが専門家の見解として示されたが、いつ起こってもおかしくない状況であり、換気・消毒の徹底や、自主的な時短営業、休止など継続した対応が求められる。