日工組社会安全研究財団(社安研)はこのほど、「パチンコ依存問題研究」における現在までの研究成果をまとめた「パチンコ・パチスロ遊技障害 研究成果 中間報告書」(企画・編集/パチンコ・パチスロ遊技障害研究会)を発表した。
今回、本報告書をまとめたパチンコ・パチスロ遊技障害研究会は、パチンコ・パチスロの遊技障害の実態を把握するための尺度を開発するとともに、パチンコ・パチスロ遊技と遊技障害の実態把握に努めてきた。本報告書は、「なぜパチンコ・パチスロ遊技障害の研究が必要なのか」(第1章)、「全国のプレイヤーの実態を探る」(第2章)、「遊技障害のおそれがある人はどの程度いるか」(第4章)、「障害の疑いのある人の特徴」(第5章)、「予防・介入に向けて」(第6章)など、パチンコ・パチスロへの過度ののめり込みの実態解明・予防・低減に資する調査研究のこれまでの成果をまとめた内容となっている。
報告書によると、18~79歳人口のうち、パチンコ・パチスロプレイヤーは約1100万人で、最近1年間で遊技障害の疑いのある人は約40万人と推計され、現役プレイヤーの9割近くはパチンコ・パチスロに使う金額を決めて、その上限金額に達したら遊技を控えるなど、健全にプレイしていることが分かる。その一方で、遊技障害にはパチンコ・パチスロのプレイスタイル、個人の意識や認知、経験、経済状況、生活スタイルなど、多くの要因が関わっている事が明らかになった。報告書では「遊技障害の予防や低減のためには、健全な遊技スタイルや生活スタイルを獲得する事が重要だと思われる」としている。
なお、本報告書はPDF版として社安研ウェブサイトにて公開を予定している。
社安研は、日本遊技機工業組合(日エ組)の社会貢献活動の一環として、 「公共の安全と秩序の維持に寄与すること」を目的に設立された団体で、同組合の加盟メーカーの支援を得ながら、安全問題解決のための研究・事業を推進している。