編集部ではグランドオープン店舗や注目店舗、注目エリアの稼働調査を実施している。本稿では稼働調査における注目店舗をピックアップし、店舗の詳細およびその市場動向を紹介する。
今回ピックアップしたのは「茨城県取手市」周辺エリア。今月7日に発令された緊急事態宣言にともない、関東では東京・神奈川・埼玉・千葉の4エリアにていち早く休業要請が出された。大手チェーンを中心として早々に半数近いパチンコホールが臨時休業に踏み切ったことは十分に周知されたことだろう。ただし一方で、行き場を失ったヘビーユーザー層が県外の店舗へと押し寄せている、そんなニュースが更なるバッシングの対象となったものだ。
こういった現象は、業界人ならば皆が懸念していたと言っても過言ではないはず。とはいえ、(アンチが極めて多いが故に)実態よりも総じて大袈裟に伝えられるのがパチンコ業界の常でもある。そこで編集部では、千葉県との県境に位置する同エリアの状況を確認すべく、4月16日(木)午後に稼働調査を行った。
県境ゆえに他県ナンバー車は当然多いが、報道はやや誇張されたものという印象
同市は、千葉県我孫子市と利根川を挟んですぐの場所。国道6号線が主要道路となっている。ちなみに電車を使えばJR常磐線「天王台駅」の次が「取手駅」となっており、文字通り目と鼻の先という位置関係だ。パチンコホールの立地状況を見ると、5店舗のうち『ガーデン取手』がJR取手駅前に位置している駅前型店舗であり、最も千葉県に近いといえる。なお、その他は全てロードサイド店舗となっていて、国道6号線沿いには北東に向かって『キコーナ取手店』『ジャンジャンデルノザウルス取手』、その後側道に入り『ビックマーチ藤代店』『ZAPP取手』と続く。
各店舗の駐車場にて自動車のナンバーを確認すると、他県からの来店者が多いのは『キコーナ取手店』と『ビックマーチ藤代店』。両店ともにおよそ3割程度の他県ナンバーが確認できた。中でも最も多いのは「柏」ナンバーだ。その他「野田」や「習志野」ナンバーといった自動車も駐車しており、当然のように隣接する千葉県のナンバーが目を引いている。
ただし、そもそも突出した稼働の上昇などは見受けられず。ニュース等で謳われているように「パチンコをするために遠方からこぞって茨城へ訪れる」といった現象自体は、やや誇張した表現のように思えてならないというのが率直な印象だった。隣接しているが故に、騒動前から他県ユーザーが流入していた地域であり、騒動後にその数が大幅に増えたというわけではなさそうである。
※本稿は2020年4月21日付け「日刊遊技情報」に掲載した記事をweb用に編集したものを掲載しております。