パチンコ依存問題の相談機関であるリカバリーサポート・ネットワーク(RSN)は7月27日、機関紙「さくら通信」の第159号を発行。それによると、6月の電話相談件数は前月より91件多い278件(支援室28件含む)。RSNは、全国のパチンコホールが営業自粛を解除したことが、相談増加に影響しているとした。
278件のうち10時から16時の日中の相談は150件(支援室19件含む)、16時から22時までの夜間の相談は128件(同9件含む)とそれぞれ増加。また、初回相談120件のうち113件(94%)が本人からの相談で、初回相談の経路はホール内ポスター(46件)、インターネット(35件)がメインとなっている。
また、今回は家族からの相談内容を紹介。人との接触が多い都市部を離れ、郊外にある夫の実家に一時的に転居した相談者は、新型コロナに感染する心配がある中で、義父に毎日パチンコに行くのをやめさせることはできないかと相談。相談者の義父はうつ病を患っているとのことから、相談員は義父にとってパチンコが気分の落ち込みの対処法になっている可能性があると説明。そのうえで、主治医と相談すること、義父にも受け入れてもらいやすい感染予防を勧めるなど、より現実的で取り組みやすい方法を提案した。
冒頭のコラムで西村直之代表は、「コロナ自粛中のパチンコ参加についてあれこれとメディアを中心に騒々しい時期があったが、本当に注意しなければならないのはこれから。人の行動や習慣は、取り巻く環境が変わった時に、本人が思う以上に変化してしまうことがある」と指摘し、依存問題対策への協力を呼びかけている。