ツイッターによって勤務先のパチンコ店をPRする「アイドル店員」が増えつつあるなか、埼玉県川口市にある『アリーナ川口店』(運営:三慶商事)の〝あゆちゃんまん〟(ハンドルネーム)さんはその元祖とも言える存在だ。2020年10月現在、1万4500人のフォロワー数を誇る。
新型コロナの影響によってパチンコ店は稼働の減少に苦しみ、埼玉県全域においても顧客の戻り率は平均75%と低調気味だが、『アリーナ川口店』はあゆちゃんまんさんの活動もあって戻り率が平均83%にまで回復している。
今回は各店の「アイドル店員」をリードしてきたあゆちゃんまんさんの創意工夫と等身大の魅力に迫りたい。
「素のわたし」のままでいく
今年の7月6日に25歳の誕生日を迎えたあゆちゃんまんさん。パチンコ業界での経験も浅くない。
「高校を卒業してすぐなのでかれこれ7年になります。ふり返ってみると、ずいぶん長くこの業界にいるんですね」
ツイッターの動画であらかじめ観ていた彼女の印象は、底抜けに明るい女の子。ぶりっ子系アイドルよりも〝天然〟をウリにするバラドルに近い感じだろうか。しかし、高校生の頃から飲食店などでアルバイトの経験を重ねてきたあゆちゃんまんさんの実像は、すでにベテラン感さえにじませるほどしっかりとした女性だった。彼女の秘められた個性にますます興味をかき立てられる。
「パチンコ業界に入った理由ですか? もちろん時給です」
臆面もなく言い切ったあとで目じりをさげた。質問への誠実な答え方とちょっと照れくさそうに笑うギャップがフォロワーたちを魅了する武器なのか。
「ぜんぜん演じてなんかいませんよ。お店のツイッターを任された時から、とにかく素のわたしのままでいこう、って決めていたんです」
パチンコ業界で働きはじめたきっかけはもうひとつ。これも彼女ならではのいきさつだ。
「もう何年前になるんですかね。お客さまの前で店員がたばこを吸っていたと言っていましたから、ずいぶん若い頃だったみたいですけど、パチンコ店で働いていたお母さんから『楽しかったよ』ってすすめられたんです。実際に入店したあと、仕事中なのにスタッフたちと『きょうのお昼、何食べる?』なんって。インカムを使ってすぐにコミュニューケーションがとれちゃうところが気に入っています」
かつて勤めていた飲食店ではスタッフ同士のわずかなおしゃべりも許されず、ひたすらマニュアル通りの接客をするばかり。客たちとの会話もかぎられ、「楽しさ」はあまり感じられなかったのだという。
「わたし、休みの日も友だちとワイワイやっているほうが好きなんです。自分の部屋で黙々と本を読んだり、ひとりでゲームをやったりするのはまったくダメ。子どもの頃もみんなと外で遊ぶほうが好きでした」
彼女の明るさはどうやら天性のものらしい。21歳で実家がある埼玉県の所沢市からはなれ、駅前の利便性やにぎやかさを求めて川口市へ移住。このタイミングで『アリーナ川口店』がグランドオープンする告知をみつけた。すでに4年近く前のことになるが、オープニングスタッフとして採用された彼女は、間もなくSNSによる店の宣伝活動を引き継ぎ、秘めた才能を少しずつ開花させていく。
「当時は〝あゆちゃんまん〟のアカウントではなく、クリスマスの飾りつけを撮影してお店のアカウントでツイートするとか、新台入替の告知なんかをやっていました。ただ、ツイッターは趣味でもつかっていたんです。アイドルのライブを観にいって、感想をつぶやくだけなんですけど、どうすれば〝いいね〟が増えるのか、楽しく続けるコツみたいなものは理解できていたつもりです」
土井たか子は美人になったね
またいくね!
頑張って!