ツイッターなどをもちいた店のPR戦略には大きくわけてふたつの方法があるらしい。
その一つは、ネット上への〝顔出し〟に抵抗がない女性従業員を「アイドル店員」として育成し、新台告知はもとよりツイートを閲覧する多くの人たちと毎日のように交流させる。この場合、PRを担う女性従業員は各店ごとに一人が原則であり、「アイドル店員」個人の人気が店の認知度を測るバロメーターにもなっていく。
もう一つの方法は、「アイドル店員」を一人だけに限定してしまう〝個人型〟ではなく、同じ店に勤務する女性従業員たちが全員参加でPRを担うかたちだ。「ベラジオ東十条@女子力☆全開」というアカウントでツイートを続ける東京都北区の『ベラジオ東十条店』は後者のスタイルをとっている。今回は同店を訪れ、〝全員参加型〟のPR活動について話しを聞いた。
PRを楽しむ従業員たちの一体感
『ベラジオ東十条店』でツイートに携わっている人数は約15名。正社員やアルバイト従業員などの区別もなく、まさに〝全員参加型〟の取り組みだが、今年の4月から同店で働き始めた〝もえぴ〟さん(ニックネーム)はその中でも登場頻度が特に高いスタッフの1人だ。
「次にどんなツイートしようか、従業員のみんなと考える時間は楽しいですよ。私たちが楽しんでいれば、ツイートを見てくださる方たちもきっと楽しんでくれる。そう思いながらみんなでワイワイやっています」
本年12月3日にアップしたイリュージョン動画(大きな布の向こう側にいた人物が布の落下と同時に消えるというもの)は、〝もえぴ〟さんがたまたま見つけたYouTubeの動画を参考に『ベラジオ東十条店』のバックオフィスで再現したもの。
12月3日は #奇術の日‼️
奇術ってマジックの事なんですねー👀💕
上手にイリュージョンできました笑🥺🥺#ベラジオ #オモシロかったらええねん#今日は何の日 #明日は何の日#フォロバ100 pic.twitter.com/ZamsSluU3a— ベラジオ東十条@女子力☆全開 (@bellagiohgs18) December 2, 2020
面白そうなことがあればすぐに取り入れる。視聴者の反応はもとより、従業員たちの間でも盛り上がった。数日後には別の女性従業員が同じイリュージョンにチャレンジしている。こんなところからも同店に勤務する従業員たちの一体感が伝わってきた。
同店のツイッターを見るかぎり、とても活動的に感じられる〝もえぴ〟さんだが、オフの日は友だちと外で賑やかに遊ぶ一方、自宅で映画を鑑賞したり、本を読んだりするのも好きだと話す。おそらくこれらもPRの企画に生かされているのだろう。
「もともと人と一緒に過ごす時間が好きなんです。なので、今のお店に入る前もずっと接客の仕事をしてきました。東十条というところは気さくな方が多く、お客様たちとはよくお話をさせてもらっています」
ツイッターを始めてからはさらに会話の機会が増え、働くモチベーションがより高まったと話す。