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〝もえぴ〟〝あすぽん〟らのアイドル店員が「女子力☆全開」で『ベラジオ東十条店』を盛り上げる

ツイートのアイデアはおしゃべりからも

彼女たちのプライベートショットもたびたび投稿されている

昨年の11月末に入店した〝あすぽん〟さん(同)も『ベラジオ東十条店』のPR活動を楽しんでいる一人だ。かつては美容系での接客経験を持つ。

「ツイッターを始める前から従業員たちの仲は良かったですね。勤務時間が違う女の子とも更衣室などでよくおしゃべりをしています。そんな時にツイートのアイデアが出てくることも少なくありません」

同店のツイッターにおける賑やかさは従業員たちの良好なコミュニケーションがあってこそ。〝あすぽん〟さんが同僚と出かける食事の風景でさえつぶやきのひとコマになっている。

従業員同士のこうした交流は、店の運営方針とも関係があるのかも知れない。『ベラジオ東十条店』で事務の仕事を担う〝みんみん〟さんによれば、〝全員参加型〟はツイッターによるPRばかりではないらしい。

「当社は店舗運営のほか、制服のデザインについても全従業員から意見を聞き取り、店長の決定に反映させています」

同店に加え、関西地方で20店舗を展開する「ベラジオコーポレーション」(本社・大阪府大阪市)は全ての店で〝全員参加型〟のツイートをしており、店舗運営やPRについては個店戦略をとっている『ベラジオ東十条店』においては店の制服でさえ従業員の意見を聞き取っていくつかの候補から選んでいる。

現在の制服である丈が短いTシャツとミニスカート、膝上までの黒いストッキングはグループ店でも多く起用されているという話だが、素材感のほか、色の組み合わせなどについては実際に着用する〝あすぽん〟さんたちも意見を出した。

「おヘソがみえてしまうTシャツなので、とくに女性のお客様からは『寒くない?』と聞かれますが、男性のお客様はむしろ照れ臭いのか、『可愛いね』ぐらいの感想です。でも、〝ザ・パチンコ店〟みたいなスーツっぽい制服より、動きやすくて気に入っています」

アルバイト募集にも効果を発揮するツイッター

ただ、ツイッターを利用したパチンコ店の新たなPR活動では、一人の女性従業員を「アイドル店員」に仕立て上げる手法が多くなっている。〝もえぴ〟さんたちは彼女たちのツイートをどのように見ているのだろうか。

「ひと言でいえば、大変そう、ということですかね。一人よりも大勢のほうが企画の引き出しが多くなるし、一人で悩む必要もありません」

孤高の「アイドル店員」だけでは思いつかないアイデアが15名に及ぶ〝全員参加型〟であれば豊かに揃う。閲覧者たちの選択肢を0か1かに絞らず、ファン層に厚みをもたせる戦略は、グループを構成する「AKB」や「乃木坂」などのプロデュース手法とかわらない。

「ツイートに持ち回りで全員が参加すれば、一人の活動に比べて労力や精神的な負担も減らせます。何より、みんなで店を盛りあげていこうという思いが日頃のモチベーションにも繋がっていると考えています」(〝みんみん〟さん)

ツイッターなどSNSによるPRは、新たな設備投資を必要とせず、広告会社への出費も生じない。PRの担当者に特別な手当てを支払うにしてもおそらくわずかな額だろう。一方で期待を超えるほどの宣伝効果が得られるケースはごくまれだ。しかし、〝もえぴ〟さんや〝あすぽん〟さんたちのように勤務先のPRを「楽しみ」に感じ、前向きな姿勢でツイートに取り組んでくれるのであれば、人材育成のうえでも大きな価値をもつに違いない。『ベラジオ東十条店』で楽しそうに働く女性従業たちの姿はアルバイトの採用面接でもその効果を発揮している。

「ツイッターをみて面接に来てくれる応募者のみなさんは、どんな制服を着て働くことになるのかあらかじめご存じなので、説明がスムーズに進みますし、制服のデザインを知って辞退、というケースも減りました」(同)

髪型や髪の色、ネイルなどにあまり厳しい制限を設けていない同店の採用基準は「元気」と「明るさ」。数々のツイートや動画にも同店の気風が生かされている。

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