【レポート】２０２０年にＭ＆Ａされたパチンコホールは１０４軒　半数以上がコロナ禍以降に

本稿では、２０２０年１月以降に店舗購入・事業承継が確認されたパチンコホールのＭ＆Ａ事例についてまとめた。

２０１９年中にＭ＆Ａされた店舗数は６２軒

２０１９年のＭ＆Ａ実績としては、４月に「キコーナ」グループが「ＯＫ牧場」の６店舗を傘下に収めたのが最も店舗数の多いものであった。その他では１０月に「ネクサス」グループが『メガガイア上越』をグループ化したニュースもインパクトの非常に大きいものであったと評せるだろう。そして、１１月には「浜友観光」グループが『ガイア渋谷店』を取得するなど、ガイア店舗における売却ラッシュの先駆けとなっていた。

結果的に、２０１９年中にＭ＆Ａされた店舗数は６２軒に上っている。

２０２０年は半数以上のＭ＆Ａがコロナ禍以降に

続く２０２０年は、言うまでもなくコロナ騒動に翻弄された１年だった。「遊楽ガーデン」グループが「ウエスタン１０店舗」をＭ＆Ａすることが公告された２月末時点で、ここまでの状況を予測出来ていた人はほとんど居なかったことだろう。

ちなみに「浜友観光」がグループ化した１５５０台の巨艦店舗『メガアイオン立川店』は、依然として閉鎖した状態から動きは見られていない。また、同店も含めて『メガガイア本山店』『メガガイア日南店』『メガガイア東村山』『メガガイア宮崎駅前店』とガイア店舗が相次いで売却されたのもこの時期である。

『メガガイア宮崎駅前店』跡への居抜き出店となった『モナコパレス１０００宮崎駅前店』（2020年11月13日撮影）

そしてコロナ禍以降でも、Ｍ＆Ａの動き自体は想像以上に活発であった。「メッセ」グループが「アカダマ」の２店舗を傘下に収めたのを始めとして、８月には「ノヴィル」グループが高知の「ホームラン」７店舗をまとめて取得。段階的に屋号変更を進めている。

また、「トリックスターズ・アレア」が破綻した親族企業である「ヒノックス」の６店舗を事業承継した。更に１２月には「キコーナ」が「パティオ」の７店舗をグループ化するなど、同社の拡大路線には陰りが見られない状況だ。

トリックスターズ・アレアがヒノックスから事業承継した６店舗のうちの１店舗『ヒノマル姉崎店』（2020年10月10日撮影）

なお、年末には「マルハン」が『ガイア宮千代店』を取得したニュースにも驚かされたものである。カンパニー制への移行も関係しているのだろうか。いずれにしても業界最大手の動向には注目したいところだ。

結果的に、コロナ禍以降にも５６店舗のＭ＆Ａが確認されており、２０２０年中にＭ＆Ａされた店舗数は１０４軒に上っている。

２０２１年中のパチンコホールＭ＆Ａ実績一覧

※編集部調べ。

２０２０年中のパチンコホールＭ＆Ａ実績一覧

※編集部調べ。